「これを見て、悔しさを持ち…」ほろ苦デビューの西武3位ルーキー杉山遙希 成長への糧と誓って握った記念のアイテム
◆西武3―7楽天(12日、ベルーナドーム) 西武のドラフト3位ルーキー杉山遙希投手(神奈川・横浜高)のデビューはほろ苦いものとなった。 ■ベンチの上にファン〝乱入〟ファン「バカヤロウ」連呼、前回の球団ワースト【写真】 初登板初先発は4回途中6失点(自責0)。初黒星を喫し、ベンチでは悔しい表情でグラウンドを見つめた。 試合後の18歳は両手でボールを握っていた。初回に安田悠馬から記録したプロ初の奪三振のボールだった。ただ目指していたものとは異なる。「次は初勝利のボールに変えたい。この悔しさを持ってこれからもやっていきたい。目につくところに置いて、これを見て、悔しさを持ち、やっていきたい」と前を見据えた。 初回は二ゴロ、右飛で2死に。ところが辰己涼介には死球。二盗を許すと、浅村栄斗を投ゴロに仕留めたが、一塁へ悪送球となり先制点を許した。4回は先頭の浅村に左前打を浴び、安田にも連打を許した。ここで犠打を試みた伊藤裕季也の打球を再び一塁へ悪送球してしまい2点目を失った。なおも渡邊佳明、村林一輝に連打を浴びるなど、この回だけで4失点に。無死一、二塁でマウンドを水上由伸に託した。 「ファームの試合では結構慣れてきて、緊張はあまりしてなかったが、初めての1軍戦で自分が思っているよりも結構緊張してしまったのかなっていうふうに思う」と悔やんだ。ただ切れのある真っすぐで空振りを奪うシーンもあった。悔いだけではない、確かな手応えも感じた。「自分の持ち味はある粘りのあるピッチング。バント処理でミスしてしまったりとかで、無駄な進塁を許してしまった。そういうのがなければ、もっといいピッチングできる」とも振り返った。 勝てば球団では横浜高の偉大な先輩で、1999年の松坂大輔以来、25年ぶりとなる高卒新人の初登板初先発での白星だった。偉業に挑戦できるだけの素質を持ち合わせるからこそ、託されたマウンドだった。渡辺久信監督代行は「リズムにの乗れなかったかな。立ち上がりに。無難にスタートしてくれりゃいいかなとは思ったけど、ちょっと焦っちゃったかな」と振り返った。その上で「いい経験、いい勉強になったんじゃないかな。冷静な感じじゃなかったね。やっぱり自分のエラーからというところもある。全ての面でもう少しレベルアップしてくれば、将来楽しみなピッチャーだと思うんですけど」と期待を寄せた。苦しいシーズンを送るレオの未来を担うべく、悔恨のデビューを糧としていく。
西日本新聞社