「メンタル面で冷静に考えながらピッチングができるようになった」カープ“8回の男”島内颯太郎の思考力
150キロを超える速球を武器に昨シーズン、自身初タイトルとなる最優秀中継ぎ投手に輝いたカープのセットアッパー・島内颯太郎。今季もフル回転を見せている“8回の男”が考える心境に迫った独占インタビューをお送りする。(全3回/1回目) 【写真】「この人がいなかったら、今僕がここにいることもなかった」 ◆マウンド上での冷静な思考が 飛躍のカギに ─昨季はセットアッパーとして初のタイトルとなる最優秀中継ぎ投手を獲得し、キャリアハイとなる数字を残しました。改めてどのような1年でしたか? 「間違いなく飛躍の1年になりました。シーズンが始まるまでは、正直あそこまでできると僕自身も思っていませんでした。ですが、キャンプから本当にいろいろな方に支えてもらったからこそ、1年間戦い抜けたと思います」 ─昨季は1年間を通して投げられましたが、体力的にはいかがでしたか? 「初めてシーズンを通して投げさせてもらったので、9月初旬に3試合連続失点した時期は、体の疲れのようなものがあったのだと思います。また、中継ぎ投手として、良いときや悪いときは必ずあります。その上でいかに平常心で次の試合を迎えられるか? などメンタル的な部分でのキツさも初めて味わった1年でした。総合してすごく良い経験をさせてもらえました」 ─1年間一軍で投げた中で、具体的な収穫などはありましたか? 「いろいろありましたが、マウンド上での考え方ですね。先ほども言った“メンタル面”で、さまざまなことを冷静に考えながらピッチングができるようになりました。以前は目の前の打者に対して入り込んでしまう部分があったのですが、後ろの打者も見ながら、そのイニングを何とか0点、または、リードしたままキープするということが大事だと少し俯瞰して考えられるようになりました」 ─昨季の投球を受けて、シーズンオフから開幕までの間は、どのようなテーマで練習に取り組んだのでしょうか。 「今年は他の投手に比べて、実戦を遅らせて調整させてもらい、自分の体づくりや、技術的な部分に時間を割きました。また、昨シーズンを通して投げた中で、もう1球種増やしたいと感じていたので、キャンプでは、黒田(博樹・球団アドバイザー)さんにアドバイスをいただいて、カーブやフォークの握りを浅くして、ツーシームのように投げることに取り組んできました。シーズン中に打者の反応を見ながら、挑戦していきたいと思います」 《第2回につづく》
広島アスリートマガジン編集部