<解説>「おむすび」からひもとく平成“ど真ん中”の2004年 人気絶頂だった歌姫、“最後の年”はプレーオフで涙、“聖地”で歴史的快挙
ちなみに2004年に最も売れた曲は、平井堅さんの「瞳をとじて」だという。同曲は、大ヒットを記録した映画「世界の中心で、愛をさけぶ」の主題歌として有名。「世界の中心で、愛をさけぶ」は、片山恭一さんの青春恋愛小説が原作で、同年に連続ドラマも放送され、日本に“セカチュー”ブームを巻き起こしている。
◇ダイエーホークス、最後の年 “再編問題”で揺れに揺れたプロ野球界
「おむすび」には朝ドラらしく、ヒロイン一家(米田家)が食卓を囲むシーンがたびたび登場し、テレビでプロ野球中継を見ていることも。
結の祖父の永吉(松平健さん)が、地元・福岡を本拠地とするパ・リーグの球団、ホークスのファンということで、ホークスの試合が当然、映っているのだが、2004年は、ダイエーホークス、最後の年(球団譲渡で翌年から『ソフトバンクホークス』に)としても知られる。
前年、日本一に輝いたダイエーホークスは、2004年も強さを発揮。打撃三冠王に輝いた松中信彦選手の活躍もあって、レギュラーシーズンを1位で終えるが、同年から新たに導入されたプレーオフで西武ライオンズに敗れてしまい、リーグ優勝と日本シリーズ進出を逃している。
結局、ライオンズは日本シリーズで、セ・リーグ覇者の中日ドラゴンズに競り勝ち、日本一に。一方で、2004年のプロ野球界といえば、近鉄バファローズの球団消滅(オリックス・ブルーウェーブとの合併)に伴う“再編問題”で揺れに揺れた年でもあり、パ・リーグにはバファローズに代わる新球団として、楽天ゴールデンイーグルスが誕生と、2004年は近鉄バファローズ、最後の年としてもファンの胸に深く刻まれている。
◇高校野球では真紅の大優勝旗がついに津軽海峡を越えた!
「おむすび」のヒロイン・結の周りには、今のところ2人の高校球児がいる。一人は、結の幼なじみで高校のクラスメートの陽太(菅生新樹さん)。もう一人が、栃木から福岡西高校に野球留学中の翔也(佐野勇斗さん)だ。