試合中に頭部外傷で緊急搬送…選手生命の危機から復活を遂げたフットサル選手・宮川泰生が “あの日”から146日目の復帰戦へ|Fリーグ
「正月におみくじを引いたら凶だった」
──復帰に向けてはどのように取り組まれたのですか? 日本サッカー協会には脳震盪の際の復帰へのプログラムはあるのですが、僕の場合は、脳震盪だけではないという感じでした。外傷も頭部だけでしたし、脳以外は特に問題なかったのですが、サッカーのものではなく、ラグビーのガイドラインを参考に進めていきました。 ──段階的復帰のプログラムですよね。 軽度の脳震盪であれば、復帰までに1週間ほどのガイドラインを段階的にクリアしていく感じなのですが、僕の場合はその期間を長くして、しっかりと経過を見てきました。退院してからも定期的に受診をして、医師と相談しながら運動を始めていったという流れです。 ──復帰への不安はありましたか? 負傷した当時の状況を覚えていないということもあるので、マイナスな感情はありませんでした。すぐに試合に復帰できないということをポジティブに捉えて、去年も今年も、体が細いという悩みがあったので、この機会に体を大きくしようと考えていました。 ──どれくらいで復帰する想定だったのでしょう? 医師と最初に相談した時は、頭部の画像をしっかり見てから、「もしかしたら今シーズンは難しいかもしれない」「受傷から半年は置いたほうがいい」と言われました。 なので、ファイナルシーズンの最後に出られたらいいな、という想定でした。 ──ということは、かなり順調に回復したということですか? そうですね。 ──復帰に向かうなかで難しさを感じたことはありますか? 多少の焦りはありました。去年のアジアカップにバックアップメンバーとして帯同させてもらったこともありましたし、日本代表は常に僕の心の中にある目標です。 特に、頭を打つまでの数試合は調子が良かったですし、(離脱している間に)日本代表の活動が増えていく時期は少しの焦りや、悔しさはありました。 ──たしかに、今シーズンは開幕からパフォーマンスが上がっていて、代表メンバーに入っていく道筋も見えていたと思います。そんなタイミングでの怪我。試練のように感じました? これは信じられる話かわからないですけど、今年のお正月に神社に行っておみくじを引いたら“凶”が出ちゃったんです。ただ、今年の後半にはよくなると書いてあったので、冗談っぽく言うと、おみくじ通りだったのかなという感じはしました(苦笑)。 今は22歳で、これから10年、15年と続くキャリアだと思っていますから、こういうことがあっても落ちずに、しっかりスタートしていこうと気持ちのふん切りもつきました。そういう意味では、決して悪い出来事ではなかったのかなと思います。 ──すごいですね……。ハードな運動ができないなか、時間をどう使っていましたか? 早く復帰しなきゃという焦りがあったのは間違いないですけど、さっき言ったように体を大きくしたり、トレーニングの動画を見たり、スペイン語を勉強したりしていました。 ──海外挑戦を視野に入れている。 小さい頃からフットサルを見てきて、スペインやブラジルのフットサルがすごいというのはずっとわかっていたので、その時からの夢でもあります。
【関連記事】
- 試合中に頭部外傷で緊急搬送…選手生命の危機から復活を遂げたFリーガー「同じ場面になっても僕は迷わずいく」宮川泰生が “あの日”から146日目の復帰戦へ
- 【最新情報】Fリーグ2023-2024 ディビジョン1|試合日程・結果・順位表|試合会場|放送予定|ABEMA&FリーグTV
- 開幕5試合連続&8得点の圧倒的パフォーマンス!今季の目標は「去年の自分を超えること」(アンドレシート/名古屋オーシャンズ)|月間MVP受賞インタビュー
- 【日本代表/国内合宿取材】サプライズ初招集の名古屋のホープ・宮川泰生。「驚いたことは確かですけど、自分の成長につなげたい」
- クラブOBのレジェンド2人でダブル解説!? 2日のすみだvs名古屋はABEMAのFリーグ中継に稲葉洸太郎&北原亘の元日本代表“同級生”が登場