インフルエンザ、静岡県内でも猛威 警報継続、コロナと「同時流行」
静岡県は9日、インフルエンザについて直近1週間(昨年12月23~29日)の定点医療機関1カ所当たりの患者数が68・3人となり、前週の38・14人から大幅に増加したと発表した。記録が残る2002年以降、2番目に高い数値となった。感染は昨年12月以降、急速に拡大し、注意報(基準値10人)の発令からわずか1週間で警報レベル(開始基準値30人)に達した。新型コロナウイルス感染症も増加が続いていて、県は「同時流行している」との見方を示し、ワクチン接種の検討などを呼びかけている。 インフルエンザの流行拡大の要因について、後藤幹生県感染症管理センター長は記者会見で、流行株として「A型H1」がコロナ禍を経て5年ぶりに主流となっている点を挙げたほか、感染力が高くなるとされる乾燥や低温といった気候状況も影響していると指摘。「全てが相まって急速な拡大につながったと考えている」と述べた。 県内の1週間の推計感染者数は6万8千人。地域別の定点当たりの患者数は東部が94・76人と最も高く、西部59・13人、中部47・07人と続く。小中高校の計5校が学級閉鎖した。
コロナは注意報発令
一方、新型コロナは定点当たり8・96人(前週6・31人)となり、県独自の感染拡大注意報(基準値8人)を発令した。地域別は東部10・76人、西部8・36人、中部7・48人。1週間の推計感染者数は8千人。昨年12月の県内基幹定点10病院の入院患者は224人で、一昨年12月の2倍以上になった。高齢者の増加が著しく、最後のワクチン接種から時間が経過していることも一因とみられる。 後藤センター長は「今後、急速な拡大が懸念される」と分析し、インフルと新型コロナへの対策として咳(せき)エチケットのほか、発熱やのどの痛みなどの症状が出た際の自宅療養などを求めた。