工具のハナシ 「スパナ」と「メガネ」どう使い分ける?
ケガや傷を避ける「メガネレンチ」がオススメ
難易度の高い整備作業はバイクショップに依頼する方が安心ですが、緩んだミラーを締め付けたり、簡単なカスタムパーツの取り付けは自分でやりたい、という人も多いでしょう。そこで必要になる「工具」ですが、一般的な六角ボルトやナットを回すのに「スパナ」を使うほうが多いのではないでしょうか。 【画像】「えっ…!」これがスパナとメガネレンチの違いです(11枚)
ちなみに、ボルトやナットを回すための工具は、総称として「レンチ(Wrench)」と呼びますが、日本では先端部が開いたモノを「スパナ」、先端部が丸く閉じたタイプは、そのルックスから「メガネ(メガネレンチ)」と呼ぶパターンが多いようです。 前述したように、ボルトやナットを回すのにスパナを使うのはもちろんOKです……が、できるだけメガネレンチを使うのがオススメです。固く締まったボルトを緩める時などに、スパナは先端が開いているため作業時に外れる可能性があり、その勢いでスパナを握った手を周囲にぶつけてケガをする危険があります。対してメガネレンチは開口部が無く全周でボルトやナットをとらえるため、作業時に外れる可能性が少ないからです。 また、スパナは2点(2面)でボルトやナットをとらえるのに対し、メガネレンチは6点(6面)でとらえるので大きな力を均等にかけられます。そのため固く締まっていても緩めやすく、ボルトやナットの角を傷めにくいメリットもあります。
そしてスパナの口は柄の部分とフラットですが、メガネレンチはボルトをとらえる部分に角度がついている場合が多く、ボルトに対して平らにかけて回しやすいため、強い力がかけられる上に作業中に外れる危険性も少ないと言えます。
スパナは回す方向に注意!
作業時に外れにくく、しっかり力を加えられてボルトやナットを傷つけにくいメガネレンチがオススメですが、スパナにもメリットがあります。 一般的なスパナは、ボルト類をとらえる口が柄に対して15°傾いています。そのためスパナの表と裏を入れ替えて交互に使うことで、スパナの柄を振るスペースが少ない、狭い場所にあるボルト類を回すことができます。