【第三の候補】ケネディ氏が米大統領選で注目されている理由 トランプでもバイデンでもない候補が勝敗を分ける事情
ロバート・ケネディJr.:二大政党(特にトランプ)に脅威?
それでは、現在24年大統領選挙に参加する可能性があると指摘されている候補について、簡単に紹介しておこう。 ロバート・ケネディJr.は上院議員も務めたロバート・ケネディ元司法長官の息子で、ジョン・F・ケネディ元大統領の甥にあたる。環境問題専門の弁護士として活動してきたが、最近では、反ワクチンやコロナ関係の陰謀論を展開して注目を集めた。 例えば、新型コロナウイルス(COVID19)は白人と黒人を攻撃のターゲットとしている、それに最も免疫があるのはアシュケナージ系ユダヤ人と中国人だ、という発言は、本人は曲解されていると主張しているものの、多くの注目を集めた。他にも、ウクライナ危機の発生はバイデンに責任があるとバイデンを批判したり、ワクチンの安全性をめぐって表現の自由が攻撃されたと主張したりしている。また、大企業優遇策も批判している。 ケネディは当初は民主党候補となることを目指していた。民主党の予備選に出馬するならば傷を負うのはバイデンだけなので、共和党、とりわけトランプとロン・デサンティスはケネディを称賛していた。だが、ケネディが第三の党からの出馬を目指すことになると、その主張がトランプやヴィヴェク・ラマスワミなどと近いこともあり、共和党も脅威とみなすようになった。 共和党は、ケネディは16年にはヒラリー・クリントンを支持したし、グリーンニューディールを支持したし、キーストーンパイプラインに反対したし、アレクサンドリア・オカシオ=コルテスの増税提案を支持したりしたリベラル派のエリートだと、ケネディを批判するようになっている。 世論調査によれば、ケネディを好意的にとらえている人の割合は民主党支持者よりも共和党支持者の方が高い。ケネディは両党の支持者に影響を及ぼす可能性があるものの、共和党の方が大きな影響を受けるのではないかと予想されている。 なお、リバタリアン党という第三の政党は長い歴史を持っており、既に多くの州で投票用紙に名前を載せることが可能な状態となっている。同党は5月に候補者を決定する予定だが、ケネディを支持する可能性もあると指摘されている。