『メタファー:リファンタジオ』分かりやすさは扇動と紙一重―大衆の心を動かす選挙演説のレトリック【ゲームで英語漬け#147】
我々が蹂躙されるまでどのくらいかかる? 貴様らは王の弱さを詰るしかできまい ならば誰が王位に相応しいというのだ? それは力を示した者だ! 亡き先王を見届け人とせよ! このルイ・グイアベルンこそ…まことの正当なユークロニア統治者であると!
不安や疑問を抱えているとき、人は自ずと行動力が鈍るもの。演説はそうした民衆の不安に対して先行きの希望を与えることが目的の一つです。ルイが呼びかけるこの場面においては、「ニンゲン」の脅威をショッキング形で示し、現行の王政では対処できないのでは、と言う民衆の恐れに対して「力を持つ自分こそが王になるべき」と持論を突きつけているのです。
A or B
Good peaple! Is Forden truly fit to be king!? Or, shall you cast off the shakles of blind faith!?
Those who stand at my side, who oppose the powers that be,my protection is yours! Or refuse my hand and perish! I will llead us over your corpses.
皆の衆! フォーデンは本当に王の座に相応しいのか? さもなくば、盲信の枷を捨て去るか? 我が側につき、権力に逆らう者には我が庇護を授けよう! あるいは我が手を拒み滅びるがいい! 我は貴様らの屍を踏み越えていくだけだ
先ほどのような強烈なビジョンを示した後、二者択一を迫ることで消極的な人間も動かそうとする、アジテーションとして強力なレトリックです。□Give me liberty, or give me death□□To be or not to be□などのフレーズにも観られるように、この形は信念や決意を感じさせ、訴えかけの決めの部分を担っていると言えるでしょう。