60代から始める「ソロ旅」の極意。宿の手配は?どんな目的で行く?凝り固まった常識や習慣を捨て、不便や失敗も含めて面白がるのが旅を楽しむ秘訣
雑誌やCMの撮影のほか、推し活目的で年に何度も旅に出るというスタイリストの地曳いく子さん。失敗と成功を繰り返した経験をまとめた旅本も刊行するほどです。大人世代がひとり旅を楽しむために最低限必要な準備と心構えを聞きました(構成:島田ゆかり イラスト:大塚砂織) ソロ旅を楽しむ7ヵ条は * * * * * * * ◆旅は非日常を体験するチャンス 『婦人公論』世代は、「ソロ旅なんて不安」「ひとりは楽しくない」と敬遠している人も少なくないかもしれません。けれど本当にひとりは不安?楽しくない? いえいえ、誰に気兼ねすることもなく、自分の思うままに過ごせるなんて最高だと思いませんか? 私は、「旅は非日常を体験するチャンス」だと考えています。日頃の鬱積したストレスを浄化できるのも、旅の醍醐味。ひとりなら、本当に自分がしたいことだけをすればいいのです。 「旅に出て何かを得よう」と気負わずに、「いらないもの(凝り固まった常識や習慣)を捨ててくる」くらいの気持ちで出かけてみましょう。 ◆目的地の決め方 ソロ旅を勧めると、「ひとりでどこへ行けばいいんでしょうか」と聞かれることがあります。そんな方々のために昨年、旅の本を出版しました。ようやく自分のために時間が使える年代になったのですから、自分の「好き」を掘り下げ、旅の目的にしてみてはいかがでしょう。 私はあるバンドの大ファンで、若い頃から追っかけをしていたので、世界中のツアーにひとりで遠征していました。ライブ以外の予定は入れない自由な旅です。空き時間にふらっと街に出ては、素敵なレストランを見つけたり、掘り出しものに出合ったり。自由気ままなソロ旅の魅力にハマってしまいました。
このように、旅の目的は推し活でもいいし、美術館巡りでもいい。お芝居の地方公演を観に行くのも楽しいですよね。温泉宿に籠もって何もしない時間を過ごすのも最高。「あの話題のレストランに行きたい!」というのも立派な理由、目的になります。 遠くへ行くのが不安なら、日帰りバスツアーを利用するほか、近隣県へのお出かけでもOK。私は東京都内に住んでいますが、鎌倉が好きでよく出かけます。 ある人は、「好きな映画を観るために、隣県にある巨大スクリーンの映画館に行く」と言っていました。これも立派なソロ旅。あるいは、美容を旅の目的にして、ホテルでエステ三昧というのも贅沢でうらやましい限り。旅の目的なんて、自分の心が喜べば何でもいいのです。 ただし、旅に完璧を求めてはいけません。旅を楽しむ極意は、不便や失敗も含めて面白がること。想定内のことしか受け入れられないなら、家にいるのが一番ですからね。 非日常な場所に身を置くと、がんじがらめになっていた自分の思考や、変えられなかった習慣などをポイッと手放して日常をリセットできるようになります。そして日々の当たり前に感謝できるのも、旅ならではの魅力です。
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