金子雅和の新作映画「光る川」が2025年3月公開、華村あすか・葵揚・安田顕ら出演
映画「アルビノの木」「リング・ワンダリング」で知られる監督・金子雅和の長編3作目「光る川」が2025年3月に東京・ユーロスペースほか全国で公開決定。場面写真とキャストも解禁された。 【画像】すべて岐阜県内で撮影された映画「光る川」 高度経済成長の進む1958年を舞台とした「光る川」は、山間の集落で祖母と暮らす少年ユウチャを主人公とした物語。森林伐採の影響もあるのか、集落は年々深刻化する台風の洪水被害に悩まされていた。夏休みの終わり、紙芝居屋が集落を訪れ、土地に伝わる悲恋の物語を語る。里の娘・お葉が、山の民である木地屋の青年・朔への叶わぬ思いに打ちひしがれて入水し、その涙が洪水を引き起こすという物語だ。ユウチャは家族を脅かす洪水を防ぎ、さらにはお葉の魂を鎮めるため、古くからの言い伝えに従って川をさかのぼり山奥の淵へ向かう。 お葉を演じたのは、Netflix「シティーハンター」くるみ役で注目された華村あすか。悲恋の相手・朔役は、連続テレビ小説「舞いあがれ!」の“章兄ちゃん”役などで知られる葵揚が務めた。少年ユウチャとお葉の弟・枝郎には、金子の師・瀬々敬久の監督作「春に散る」にも出演した子役の有山実俊が1人2役で扮した。さらに足立智充、堀部圭亮、根岸季衣、渡辺哲、山田キヌヲ、安田顕もキャストに名を連ねる。音楽は細田守監督作品や「違国日記」で知られる音楽家・高木正勝が担当した。 原作は岐阜出身の作家・松田悠八の「長良川 スタンドバイミー一九五〇」。金子にとって長編映画では初めての原作ものとなり、長良川流域の土地・民話・伝承からインスピレーションを受け、物語を大きく膨らませた。撮影は2023年9月、すべて岐阜県内で行われた。 またスペイン現地時間11月23日、第62回ヒホン国際映画祭にて本作が受賞。17歳から25歳までの若者で構成されるユース審査員11名により最優秀長編映画賞に選ばれた。ユース審査員からは「普遍的な感情を繊細かつ美しく描き、時間や距離を超えて物語に共感できる作品に仕上げたこと」を高く評価されている。映画祭に参加した金子は「この映画は、複雑で困難な状況にある現代の世界中の人、特に若い人に対し、かつて私たち人類の誰もが持ち備えていた『自然と人間の関係への思慮』からヒントを得て、未来に向け希望を抱いて生きてほしい、というメッセージを込めて作りました。ですので、若い人たちの心に最も残ったのであれば、この作品の監督として最大級の喜びです」と語った。 ■ 金子雅和 受賞コメント 最初に、62年もの長い歴史があるヒホン国際映画祭で「光る川」のワールドプレミアを迎えられたことを、大変光栄に感じています。 この映画は、複雑で困難な状況にある現代の世界中の人、特に若い人に対し、 かつて私たち人類の誰もが持ち備えていた「自然と人間の関係への思慮」からヒントを得て、未来に向け希望を抱いて生きて欲しい、というメッセージを込めて作りました。 ですので、若い人たちの心に最も残ったのであれば、この作品の監督として最大級の喜びです。 (c)長良川スタンドバイミーの会