【自民党総裁選2024 ネット討論会】激論!医療・介護費の現役負担問題&少子化・人口減少問題を総裁候補はどう解決する?選挙ドットコムちゃんねるまとめ
YouTube「選挙ドットコムちゃんねる」では、毎週選挙や政治に関連する情報を発信中です。 今回は2024年9月21日に、選挙ドットコムが「Yahoo!ニュース」を運営するLINEヤフー株式会社と共同で開催した「自民党総裁選2024 ネット討論会」より、社会保障に関する2つの質問に対する各総裁候補の意見をご紹介します。 今回の討論会のテーマ選定にあたっては、まずYahoo!ニュース読者なら誰でも投票できるプラットフォーム「みんなの意見」で議論してほしいテーマのアンケートを実施し、9/12~9/20の間に3万2026人から投票をいただいたものをベースにしています。さらに、投票結果の上位3テーマについて、39歳以下を対象に募集した質問事項から具体的な設問を選定しました。 【このトピックのポイント】 ・医療・介護費の現役負担をどう減らすか ・少子化および人口減少にどう対処するか
医療・介護費の現役負担をどう減らすか
医療・介護費は将来にわたって伸びていくと予測されており、保険料の負担増も大きな問題となっています。選挙ドットコム編集部があらかじめまとめた各候補者の「医療・介護」に関する政策はこの図の通りです。
「医療・介護費の現役負担をどう減らすか」という質問に対する各候補の意見は以下の通りです(発言順)。 加藤勝信氏「1つは、医療・介護費の増加をいかに抑えるか。医療DXなどを活用し、重複投薬などの無駄を排除したり、効率性を上げたりすることで、少ない人員でこれまでと同様、あるいはそれ以上のサービスを提供できる。もう1つは能力に応じた負担にすること。現在は勤労所得がベースになっているが、それが若者の負担感につながっている。『能力』を幅広く捉え負担のバランスをとることが現役の負担軽減になると考えている」 河野太郎氏「1番の問題点は、健保組合や協会けんぽなどの保険料の4割が前期高齢者及び後期高齢者の納付金支援に流出していることだ。金融資産を多く持つ、いわゆる負担する能力がある高齢者にもう少し負担していただくことで高齢者世代の中での助け合いを強化したい。保険は本来同じグループの中でリスクを分かち合うもので、4割の保険料が流出してしまっていることで保険料が税に近い性質になってしまっているのではないか」 上川陽子氏「健康長寿を達成するために町全体が健康長寿を応援する環境づくり、スマートウェルネスシティを提案する。楽しく歩き、自然に交流が生まれるような街づくりや、ボランティアに参加することで介護保険料が軽減されるような仕組みづくりを実践している自治体がすでにある。医療費は年間で最大10万円削減された例もあり、こういった事例を全国の自治体に展開していきたい」 茂木敏充氏「資産のある高齢者に負担をお願いする点は他の候補者と同様。それに加えて医療費の観点からジェネリック医薬品に言及したい。日本のジェネリック医薬品は非常に高価でアメリカの2倍以上になる。さらに、1.9兆円の市場に190社が乱立しており、この市場を再編することでジェネリック医薬品の額を下げられれば、医療費そのものもかなり下がっていくと考えている」 高市早苗氏「被用者保険から65歳以上の高齢者医療に年間10兆円のお金が使われていると言われているが、これを世代間対立にはしたくない。若い方でも介護・医療のお世話になることはあり、みんなで支えあっていかなければならない問題である。一方で、科学技術の研究の中で病気の予防や難病の治療方法の開発が進んでいる。そういった研究・開発を進めることで病気になる方を減らしていきたい。」 小林鷹之氏「まずは経済成長が肝要である。その上でAIやロボットなどによるDX、予防医療の推進などを進める。電子カルテの連携によって投薬・検査の重複を防ぐことも有効である。もう1つは、民間市場をもっと広げていくべき。薬局で売っている風邪薬にまで公的保険を使うのか。そのようなものを省いて、重度の病気に使う薬や新薬の開発により多くの財源を回していくべきだと考える。」 石破茂氏「1番の問題は医療であると考える。国民皆保険開始時の主な疾患は結核と労働災害。みんなが同じようにリスクを負っていたから制度が成り立っていた。今はがんと生活習慣病と認知症に変わり、疾患が変化したのに仕組みがそのままでいいとは思っていない。災害や犯罪と同様に、発生時にどう対処するかではなく、どう減らしていくかを考えたい。その点においてデジタルの果たす役割は非常に大きいと考える。」