アメリカで「変動金利」を選ぶ人は1割弱だが…結局、家を買うとき「変動金利」と「固定金利」のどちらを選ぶべきか?→住宅ローンの専門家が回答
金利の保険と考えれば固定金利は「割安」!
住宅ローンの固定金利は毎月月初に発表され、それが1カ月間にわたり適用されます。そのため、最長35年もの長期にわたり、返済をしていかないといけないことを考えると、固定金利で住宅ローンを組むときには、なるべく金利が低い月に借りたいものです。 固定金利として代表的な「フラット35」の金利は、前の月から予測することができます。そもそもフラット35の資金は、住宅金融支援機構の機構債の販売代金です。機構債を買う投資家の投資利回りである「機構債の表面利率」は毎月中~下旬にホームページで公開されており、フラット35の金利はその翌月1日に発表されるので、予定に基づいて推測することが可能になります。 融資を実行する日は、月末、もしくは月末近くがベターです。もし翌月に金利が上がる予測なら、予定通り月末に融資実行。逆に、もし翌月に金利が下がる予測なら、融資実行を翌月に延期しましょう。 固定金利は、収入が景気の煽りを受けない公務員や返済額の4分の1を貯蓄する余裕がない若い人にオススメです。変動金利より固定金利のほうが高いのは仕方ありません。変動金利にはリスクが伴いますが、その分、固定金利には金利上昇の保険が上乗せされていると思えば、安心ですし、結果的に割安とも言えます。
「ペアローン」と「収入合算」を現実的に考える
時代や景気、労働市場などの変化に伴い、現代社会では夫婦共働きがスタンダードになってきています。最近では、夫婦で住宅ローンを組むときには「ペアローン」や「収入合算」を選択する人も増えています。 ペアローンは夫婦がそれぞれ住宅ローンの契約をして、それぞれが相手の連帯保証人となります。2人分の融資が受けられるため、より高い物件を手に入れられます。 住宅ローン控除でもそれぞれの税金から控除を受けられますが、夫婦の債務の比率は途中変更できず、どちらかが無収入になった期間の控除はどちらかで賄うことはできません。妻が出産や育児などで収入が途絶える可能性を考えると、慎重になるべき点です。 収入合算は住宅ローンを申し込む人(債務者)の収入に、相手(収入合算者)の収入を合算して申込をする方法です。契約する住宅ローンは1本で、収入合算者が連帯保証人となります。 夫婦の収入を合算して審査されるため、2人分の融資を受けられますが、住宅ローン契約者は債務者の1人だけなので、住宅ローン控除の上限はペアローンより小さくなります。 融資額や控除額が増えるメリットもありますが、連帯保証人になっていることで、住宅ローン全額の責任を負うリスクもあります。仮に離婚して夫婦関係が解消されても、なくならないのが連帯保証(債務)です。そのリスクを十分理解しておきましょう。
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