9月に入って再び混セに?首位広島に5ゲーム差以内!上位4チームそれぞれの「現状」「課題」とは
シーズンも終盤にきて例年以上にし烈なペナント争いをくり広げているのがセ・リーグだ。4日の試合は首位の広島、2位の巨人が敗れ、3位の阪神、4位のDeNAが勝利。特にDeNAはここにきて中止をはさんで5連勝と勢いを増している。上位4チームが広島まで5ゲーム差以内、それぞれのチームの状況を見ていく。 【動画】井上はプロ5年目にして甲子園で初アーチを放った 【広島】 首位の広島はここにきて自慢の投手陣が崩れることが続いている。4日のDeNA戦に先発したアドゥワ誠が2回までに6失点。序盤の大量失点が響き、1-6とワンサイドゲームとなってしまった。チームでは3日のゲームでも森下暢仁が4回5失点KO。ここまでチームを支えてきた先発陣に疲労が目立ち始めた。 必然的に先発陣が早期に崩れるとブルペンにも負担がかかり、悪循環を生む。 そんな中で期待されるのは打線の頑張りだろう。4日のゲームでは「3番・三塁」で先発した、主力の小園海斗がマルチ安打と気を吐いた。得意の足もからめながら、再び上昇気流をつかめるか。 【巨人】 2位の巨人は4日の試合、ヤクルト2年目右腕の吉村貢司郎にプロ初完封を献上した。8月27日に神宮で対戦したときは4回4得点で黒星をつけていたが、再びのマッチアップでは最速154キロの速球に変化球も交えた制球力の良さに6回まで二塁も踏めず、封じられた。 このカード初戦は9回にモンテスが来日初アーチで同点に追いつきながら、10回に登板した大勢が勝ち越しを許した。 厳しい戦いが続く中、やはりこの場面で期待がかかるのは主砲の一発だろう。岡本和真は9月に入ってからは3試合で10打数2安打、0本塁打。常に打てるわけではないが、劣勢のときこそチームを勢いづける打撃が求められている。打線では3日のゲームから再び1軍に合流した大型野手の秋広優人にも期待が高まる。チーム一丸となって勝ち星を積み重ねられるか。 【阪神】 首位広島に3・5差とじりじりと迫っているのが昨年のチャンピオンチームだ。4日のゲームは初回に先頭の近本光司から猛攻をしかけ6連打6得点と左腕、小笠原慎之介をKO。勢いのある打線で中日を押し切った。 若虎の打撃がチームに勢いを与えている。森下翔太は初回無死一、二塁のチャンスに右中間を破る2点適時打をマーク、佐藤輝明も2点適時打と続き、さらに本拠地を沸かせたのは、井上広大がプロ5年目にして放った本拠地甲子園での初アーチ。怒涛の攻撃に猛虎ファンの歓声も鳴りやまなかった。 一方、不安材料としては相変わらずのミスの多さにもある。初回、先制点へとつながる佐藤輝明のエラーに加え、この日は中野拓夢も5回、6回と「2失策」を記録。土のグラウンドを本拠地にすることでミスはどうしても多くなりがち。とはいえ、先の巨人戦では守備難の佐藤に向けて、バント攻撃を仕掛けられて、失点につながった。ワンプレーの重みが増す時期だけに細心の注意が必要といえそうだ。 【DeNA】 台風での4試合中止をはさんで5連勝を達成。首位広島から連勝と勢いを感じさせる。 強みは何といっても強力打線だ。4日のゲームは相手先発アドゥワの立ち上がりを攻め、一死一、二塁から宮崎敏郎が11号3ランをマーク。初回に5得点とDeNAペースに持ち込んだ。投げてはジャクソンが6回1失点と試合を作り、救援陣もつないだ。投打がかみあっての快勝劇で3位の阪神に1・5差、首位の広島に5ゲーム差と残り25試合で逆転Vに望みをつないだ。 ここからの戦いは持ち味の「打ち勝つ」ことに加え、いかにエラーを減らし、スキのない野球ができるかも大事となる。昨年首位打者の宮崎もここにきて打率3割超えと勢いを感じさせる。悲願の優勝へ迫れるか。 何にせよ、近年ここまでシーズン終盤まで多くのチームがペナント争いをくり広げることも少なかっただけに、ファンも注目している。最後の最後まで熱くさせるプレーを各球団選手には期待したいところだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]