敵前上陸「地上の地獄だった」 対ロシア渡河作戦、兵士ら証言
ロシア軍が待ち受けるドニエプル川の対岸に、小型艇で少数の歩兵を送り込み橋頭堡を築き、猛攻に耐えながら維持する―。ウクライナ軍は昨年秋から、南部ヘルソン州で危険度の極めて高い渡河作戦を継続している。東部ドンバス地域で激戦が続く中、渡河作戦はロシア占領地奪還に向けた南部戦線の焦点だ。圧倒的不利な状況下で、大河を渡り廃虚の地下に潜伏しながら交戦を繰り返す。兵士らは「地上の地獄だった」と口をそろえた。 ロシアが核攻撃に踏み切ったらアメリカはどこに報復するか? 米政権内で行われていた机上演習の衝撃的な中身
ウクライナ軍兵士6人が19日までに共同通信の取材に凄惨な実態を証言した。ウクライナは奪還地域を拡大できず作戦の成果は乏しい。 証言によると、ウクライナ軍は通常、深夜から未明に北岸から小型艇を出発させ、一隻当たり4、5人の歩兵を南岸に輸送する。小型艇はドローンが投下する爆弾や砲撃を蛇行して避け、全速力で対岸を目指す。 遮蔽物がない川面は無防備だ。小型艇操縦士トレット(28)は「殺される恐れが最も高い場面の一つだ」と話す。同僚の操縦士は命を失い、自らも約50メートル先の水面に爆弾が落ちた経験がある。