《相続会議》父に「遺産をどうするつもりなの?」と軽い気持ちで聞いたら激怒され… 実家で相続話を切り出す際は「まず母親を口説く」が鉄則
相続税の有無から確認
相続の話し合いに進んだ後、次のハードルとなるのが「親の財産」についての聞き取りだ。税理士法人ブライト相続代表の天満亮氏が語る。 「いきなり財産の額を聞くのではなく、相続税が発生するかどうかを問うとハレーションが起きにくい。まずは『親父にもしものことがあったら、俺たちは相続税に困らないかな?』と聞いてみましょう。これで相続税がかかるほどの遺産があるかどうか、おおよその見当がつきます」 相続税は遺産総額が「3000万円+600万円×法定相続人の数」まで非課税となる。法定相続人が母と子2人なら4800万円まで非課税なので、相続税が発生する場合はそれなりに多額の財産が残されていることになる。
2022年の相続税納税者の割合は全世帯の9.6%と1割に満たないが、都市部の不動産所有者など「土地建物を含めればうちも該当するのでは」と思う人は多い。該当する可能性がある人は、次項で解説する遺産の内容確認に注力しよう。 「大まかな額がわかればその後の対策を立てやすくなります。相続税の問いかけで、『そんなに心配ならちょっと試算してみるか』と話がトントン拍子で進んだケースもあります。 ここまで行ったら、あとは親の意向も確かめておきましょう。親の気持ちとしては誰にどう分けたいのか。ザックリでもいいのでその点を聞いておくと、不慮の事故などで万一遺言書を残さずに亡くなった時、遺産分割時に揉めずに済む可能性がある」(天満氏) うまく家族を説得し、話し合いをスムーズに進めることが相続で主導権を取る第一歩になる。 ※週刊ポスト2024年12月27日号