「破局しました」漫才協会で自虐を笑いに変えた瞬間が転機に アンゴラ村長「テレビで露出が減った後」の活躍
■下積みがないままブレイク「自分はもっとやれるはずなのに」 ── デビュー後、ほぼ下積み期間がないままにブレイクしましたが、ご自身としての芸人としての原点になった出来事はなんだったのでしょうか。 アンゴラ村長さん:何だろう。原点になった経験は、いろんな段階があると思っていて。たとえば、ライブで縄跳びネタを始めてやったときや、キングオブコントで準優勝したときは、「このネタでいちばんウケたんじゃないか」って感覚はありました。ただ、すごく笑ってはもらえるんですけど、自分のなかで「これがいちばんおもしろいネタだ」とは思ってなかったんです。
── そうだったんですね。めちゃくちゃウケてましたが…。 アンゴラ村長さん:キングオブコントでは、たくさん笑ってはもらえたんですけど「自分はもっとお客さんに笑ってもらえるネタをやれるのに」という気持ちもあって。そこからかなりテレビの出演回数が増えたのですが、その後いろいろあってテレビ出演が減ったりして。そういう経験を経て、2019年に漫才協会に入ったんです。 あるとき、漫才協会のライブで、自分たちのことをイジったんですよ。「破局しました~」「最近テレビで私たち見ましたか?」とか。そのときに、お客さんが笑ってくれて。それで「よかったなぁ」って気持ちになった自分にビックリしたんですよね。
── 自分たちの境遇を笑いに変えられた、というか。 アンゴラ村長さん:ネットで誹謗中傷的な感じで「にゃんこスターって最近見ないよな」とか言われるのはイヤなんですけど…。ただ、劇場に来てくれたお客さんが笑ってくれるためのひとつの手段としてなら、別にいいと思える自分がいたんです。そういうネタってわかりやすいし、お客さんが笑いやすいんですよね。笑ってくれるなら自分の過去やネガティブなことも削ったっていいと思っている自分に気づいたとき、私って芸人なんだとあらためて知って。なんて言うんですかね。それが、今の自分になるための原点だったのかな、って感じがします。