ルペン氏の極右政党、絶対多数獲得に向け奔走-ライバル陣営が結束
(ブルームバーグ): フランスの国民議会(下院)選挙で、マリーヌ・ルペン氏率いる極右の国民連合(RN)は7日の第2回投票で絶対多数を獲得すべく奔走している。ライバル政党はこれを阻止するため結束を強めた。
仏紙ルモンドの集計によると、マクロン大統領の中道グループと左派連合の新人民戦線は、極右に対する票の分裂を避けるため、215の選挙区で候補者を引き揚げた。
これに対してRNは、577議席の下院で過半数を獲得するための同盟相手を模索している。過半数を得れば、年金改革の撤回、付加価値税の引き下げ、外国人に対する一部の援助の削減を含む同党プログラムの実施が可能になる。
RNのジョルダン・バルデラ党首は3日に掲載されたフィガロ紙とのインタビューで、「われわれは絶対多数を確保する」と宣言。「この選挙で敵対するすべての政党が掲げる唯一の目標と野望は、私の勝利を阻止することだ」と苦言を呈した。
同氏は、必要な289議席を獲得するために中道右派の共和党と接触する用意があるという。共和党がマクロン氏や極左の「不屈のフランス」を率いるジャンリュック・メランション氏を含む連立政権に「満足できるはずはない」とみている。エリック・シオッティ氏を筆頭とする一部共和党員は、すでにRNと同盟を結んでいる。
「多数派を拡大する必要があれば、そうするつもりだ」とバルデラ氏は語った。
RNは絶対多数を狙える唯一の政党であり、同党が過半数が確保できなければハングパーラメントとなる。その場合はマクロン大統領が引き続き外交の主導権を握り、内政を担当する首相の人選でも妥協しなければならない。
ルモンド紙によると、左派から132人、マクロン陣営から83人の候補者が、三つ巴と四つ巴の決選投票から離脱した。内務省は水曜遅くに最終集計を発表する予定だ。
候補者調整が「成功したなら、極右の勝利を阻止することが可能だという証拠だ」とアタル仏首相はラジオ局フランス・アンテルに語った。