戦没者の遺骨を米軍基地の埋め立てに…沖縄で42年間“骨を掘る男”の活動を基地問題が翻弄「冒涜は許さない」
具志堅さん: Q続けてこられたモチベーションは 「やめようと思わなかったから。(戦没者遺族は)本当は遺骨に、本人に帰ってきてほしいって。帰ってきてほしいとはみんな言います」
■「戦友への裏切りだ」…国が戦没者が眠る土を“基地の埋め立て”使う計画
沖縄の土には今も家族のもとに帰れない、多くの魂が眠っている。しかし、沖縄が抱える問題が、具志堅さんの活動を阻もうとしている。
政府が米軍普天間基地の移設先として決めた名護市辺野古は、飛行場の建設のため、2018年に埋め立て工事が始まった。 しかし、大浦湾側に軟弱地盤があることから、当初の計画以上の土砂が必要となり、未だ戦没者が多く眠る「沖縄南部」の土砂を使用する計画が持ち上がった。
県は工事を認めなかったが、県に代わって国が計画を認める「代執行」を行う異例の事態に発展した。 具志堅さん: 「辺野古の基地の建設に賛成、反対以前の問題として、人道上の問題として戦没者の尊厳を傷つけるようなことはやめてくれって。戦争で犠牲になった人たちが、国によって今度は海に捨てられようとしているわけですよ。これを防衛省が言い出したのが信じられなくて、これは戦友への裏切りですよ、遺族と国民への裏切りですよ」 2024年6月16日に行われた沖縄県議選では「辺野古移設反対」の玉城知事を支える与党が大敗し、議席が過半数を割り込む結果となり、防衛省は8月1日以降、軟弱地盤の工事に本格着手すると県に通告した。 具志堅さんが採取した、沖縄南部の土を見せてもらった。
目立った遺骨や遺留品はすでに取り除いたというが、小さな骨が、次から次へと見つかった。
土の採掘業者は「遺骨が見つかれば工事を一時中断する」としているが、小さな骨を判別するのは困難だ。 具志堅さん: 「こういった小さい微細な遺骨は、現場安置って考え方で、そこを慰霊と平和を考える霊域として保全したい」
戦没者の骨を、米軍基地の埋め立てに利用する。「そんな冒涜は許さない」と具志堅さんは訴え続けている。