定年退職後、働いている間は年金をもらわないほうがいい?
会社勤めをする誰にも、やがて訪れる定年という一大事。年金について、知らないと大損する可能性も!? マネージャーナリストで弁護士の板倉京さんに教わります。
Q.退職後、働いている間は年金をもらわないほうがいい?
A.一定金額以上の給料をもらっている人は、年金繰り下げを考えたほうが得をする。 何歳から年金をもらうかは別として、まず絶対に言えることは勤め人としてバリバリ働いているうちは年金をもらわないほうがいいということです。理由は年金がカットされてしまうから。 月額の年金と給料を足して48万円を超えると、超えた金額の2分の1の年金がカットされてしまいます。たとえば年金と給料を足して月額50万円もらっていると、超えた2万円の半分、毎月1万円が年金から差し引かれます。 カットされた年金は後から取り戻すことができません。年金には「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」の2種類があり、前者はいくら働いても減らされませんが後者は今の計算で減らされてしまうんです。どうせカットされるなら年金を繰り下げておけば受給額を増やすことができます。 老齢基礎年金と老齢厚生年金はどちらか一方を繰り上げたり繰り下げたりできます。 65歳以上で働いていて年金と給料を足して48万円以上になるけれど年金は早くもらいたいという人は、老齢厚生年金だけを繰り下げるという方法も検討の余地ありです。
板倉 京 さん いたくら・みやこ マネージャーナリスト、税理士 ウーマン・タックス代表。大手会計事務所、財産コンサルティング会社勤務などを経て税理士事務所を開業。『定年前後のお金の正解』など著書多数。
イラストレーション・SANDER STUDIO 文・石飛カノ
『クロワッサン』1111号より
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