万博記念公園で「私の大阪万博 思い出の品展」。関係者しか持ち得ない希少な品も/大阪
大阪万博の記念館「EXPO’70パビリオン」で今月14日から、「第4回 私の大阪万博 思い出の品展」が始まっている。9月23日までの企画展だ。
「万博の会」から寄贈を受けた品々を展示
アジア初、日本で最初の国際博覧会だった「大阪万博」(1970年3月14日~9月13日)。当時史上最大の規模を誇り、国民の半数にあたる約6千万人もの来場者でにぎわい、子どもから大人までが大熱狂した。人それぞれ思い出が多く、そんな“思い出の品”とあわせて、当時のエピソードを紹介している。 「今回展示しているのは、日本万国博覧会協会に勤務されていた人たちの集い『万博の会』から寄贈を受けた品々です。寄贈品は全部で327種類514点。取材班腕章や広報誌、写真といった業務関連資料のほか、メダル、カレンダー、金杯など記念品やお土産品として配布・販売されたものまで、幅広い資料を寄贈いただきました。その一部をご紹介しています」(EXPO’70パビリオン、主任学芸員の山崎愛さん) 会場入り口には、屋根の上を歩けるようにもなっていた「太陽の塔」のミニチュアが飾られており、「2年後をめどに太陽の塔がリニューアルされ、また塔内に入れるようになります」(山崎学芸員)とか。
関係者しか持ち得ない希少な品265点が並ぶ
本展の見どころは、関係者しか持ち得ない希少な品などを展示していること。展示点数は265点に及ぶ。「みどり館」のコントロール室にてオペレーター兼映写機の保守点検を担当していた奥野達郎さんや、ホステスとして勤務していた桑原由紀子さんの“思い出の品”を展示。 当時、みどり館の目玉は全天全周映像「アストロラマ」で、これを撮影したユニットカメラは、35mm8Pカメラを5台組み合わせたもの。このカメラを開発し、「ドーム空間のトータルクリエイター」として名高い株式会社五藤光学研究所の協力のもと、このカメラのレンズを44年ぶりに一般公開中だ 奥野さんがまとめたオリジナル映像「EXPO’70への招待」(上映時間:約1時間)では、北海道や九州でのアストロラマのロケ風景を観ることができる。 「大阪万博から44年が経った今、来館者にそれぞれの思い出を呼び起こし、大阪万博を経験していない世代にも、当時の熱気やにぎわいを伝えることができればと思っています。それと電気自転車をはじめ、この万博から始まった技術もたくさんあり、それが継続して今に繋がっています。新聞や雑誌には取り上げられることがなかった各出展者のエピソードから、大阪万博の思い出をひも解くきっかけとなりましたら幸いです」(同)
万博から始まり、普及したものも多い
大阪万博から始まり、その後、実現普及したものも数多い。電気自動車、電気自転車、動く歩道、テレビ電話、エアドーム、ヨーグルトなど。まさに大阪パワーの原点がここに詰まっている。 会場は「万博記念公園自然文化園内・EXPO’70パビリオン常設展内東ホワイエ」。営業は朝10時から夕方5時(水曜日は休館)。 料金は大人200 円、中学生以下無料(別途、自然文化園の入園料大人250円・小中学生70円が必要)。問い合わせ先は、「EXPO’70パビリオン」(06・6877・4737)まで。 (文責/フリーライター・北代靖典)