【速報】「残虐非道の限り 苦痛は筆舌に尽くしがたい」青葉真司被告に死刑判決 36人死亡の京アニ放火殺人事件で責任能力認める
妄想は放火殺人へは「影響していない『やられたらやり返す』パーソナリティー」
そして生い立ちに触れながら理由を述べていきました。 裁判長は、青葉被告が「重度の妄想性障害」であったと認めましたが、妄想が”犯行にどれだけ影響を与えたか”については、「妄想が犯行動機の形成には影響したものの、放火殺人という手段には影響していない」と指摘。「放火殺人を選んだのは、青葉被告のこれまでの経験や知識、『やられたらやり返す』というパーソナリティーによるものだ」と述べました。 犯行については、「生活に困窮する中で、利益を得ている京アニに恨みを募らせ、放火殺人までしないと”盗用が終わらない”と考えて、犯行を決意、京都へ向かった」と認定しました。
「妄想が影響したことなどを考慮しても、死刑を回避する理由にはならない」
犯行様態については、「大量殺人を行うという強固な殺意に基づくもの。第一スタジオは炎で包まれ、火の海になった。生命侵害性が高く、生身の人間を火だるまにするという誠に残虐で非道なもの」と述べました。 そして、「経緯、動機、情状等を考慮しても、被告人が人命の尊さを顧みず、ガソリンを撒いて火を放ち、36人を殺害、32人を命の危険に晒したことは、極めて重く、動機に妄想が影響したことなどを考慮しても、死刑を回避する理由にはならない」と、青葉真司被告に死刑判決を言い渡しました。 去年9月以降、裁判は22回開かれました。その中で青葉被告が謝罪の言葉を口にしたのは、21回目の裁判でした。 その際は、遺族らの意見陳述のあと、検察側から受け止めを求められて、「それはやはり申し訳ありませんでしたという形にしかなり得ない」と初めて謝罪の言葉を口にしています。 午後1時40分ごろ、主文が読み上げられました。青葉被告は深く頭を下げて、微動だにせずに判決を聞いていました。その後、下を向いた様子で退廷しました。 傍聴席の遺族らからは、涙をぬぐう姿が見られました。
約5か月間の裁判に、裁判員として臨んだ方々のうち、6人が判決を終えて記者会見を行いました。裁判員を務めた会社員男性(40代)、会社員女性(30代)、教師の女性(年代非公表)、会社員男性(40代)の4人と、補助裁判員の50代女性、20代男性です。