加藤和樹“不惑”の決意「渋い男になれるよう頑張っていきたい」 2年ぶり再演『裸足で散歩』上演中
2022年に全国6会場で上演され、好評を博したニール・サイモン脚本の傑作コメディ『裸足で散歩』が10月10日、東京・曳舟文化センターにてプレビュー公演を行い、前回に続き主演を務める加藤和樹、共演する高田夏帆、福本伸一、松尾貴史、戸田恵子、元吉庸泰(演出)が取材に応じた。 【全ての写真】“不惑”の決意を明かす加藤和樹 ブロードウェイを代表する喜劇作家、ニール・サイモンが1963年に発表した舞台『裸足で散歩』。1960年代のニューヨークを舞台に、冬本番の2月に古いアパートの最上階に引っ越してきた新婚夫婦(加藤と高田)を中心に繰り広げるラブコメディーだ。2年ぶりの再演では、17都市をめぐる全国ツアーを開催する。 まじめを絵に描いたような弁護士の夫ポール・ブラッターを演じる加藤は、10月7日に40歳の誕生日を迎えたばかり。「心持ちは特にそんなに変わっていない。ポールは26歳という設定なので、より若々しく演じられれば」と意気込み、「役者として歳を重ねるにつれ、演じられる役もあると思います。いつか、(松尾演じる)ヴェラスコさんも演じられるように、渋い男になれるよう頑張っていきたいと思います」と“不惑”の決意を明かした。 すでに大阪、茨城、神奈川、静岡で上演され、各地で好評を博しており、加藤は「お客様が温かいのはもちろんですが、各会場で笑うポイントや空気感が違うので、これからも、その土地土地の反応を楽しみたい」と期待感。前回はコロナ禍での制限もあっただけに「お客様の笑い声をいただき、心が温まる。皆さんの心が豊かになるように、幸せな物語をお届けしたい」と抱負を語った。 また、天真爛漫で自由奔放な妻コリー・ブラッター役を続投する高田が、「2年前に比べて“聞く耳”を持てるようになって、お客様の大きな笑い声が聞こえる」と語ると、同じく続投組の松尾と戸田もそれぞれ「2年前よりも、僕も聞き耳を持つようになりまして(笑)」「2年経ちまして、私も聞く耳を持てるようになりました」と、高田のコメントに乗じて笑いを誘っていた。 電話会社の男を演じ、本作に初出演する福本は「コメディはお客様の笑いがあって完成するもの。カーテンコールでお客様がとてもいい笑顔をしていて、それを見ると幸せになる」と手応えを示し、「二幕で2秒ほど別人として登場するので、その2秒を見逃さないでほしい」とアピールしていた。 演出の元吉は「今回はテイストを変えているところがあり、不安もあったんですが、温かい気持ちになったというお声をいただいている」と、各地の反応に安どの表情。高田が演じるコリーは、ニール・サイモンの最初の妻であるジョアン・ベイム(1973年に死去)がモデルになっているとされ、「理屈を超えて愛し合い、ケンカをしても許し合って、相手に光を求めている関係性」だと話していた。 取材・文・撮影:内田涼 <公演情報> 『裸足で散歩』 作:ニール・サイモン 翻訳:福田響志 演出:元吉庸泰 音楽:栗山梢 【出演】 ポール・ブラッター役:加藤和樹 コリー・ブラッター役:高田夏帆 電話会社の男役:福本伸一 ヴィクター・ヴェラスコ役:松尾貴史 バンクス夫人役:戸田恵子 <公演日程> 東京プレビュー【曳舟】 10月10日(木) 曳舟文化センター 東京プレビュー【西東京】 10月13日(日) タクトホームこもれびGRAFAREホール 【北海道幕別】 10月16日(水) 幕別町百年記念ホール 大ホール 【北海道士別】 10月18日(金) あさひサンライズホール 【北海道中標津】 10月20日(日) 中標津町総合文化会館 しるべっとホール 【北海道札幌】 10月22日(火)・23日(水) 札幌市教育文化会館 大ホール 【北海道大空】 10月25日(金) 大空町教育文化会館 教育ホール 【宮崎】 10月31日(木) 都城市総合文化ホール 中ホール 【大分】 11月2日(土) 中津文化会館 大ホール 【宮城】 11月5日(火) えずこホール(仙南芸術文化センター)大ホール 【東京】 11月8日(金)~11月19日(火) 銀座 博品館劇場 【愛知】 11月21日(木) ウインクあいち 大ホール 【香川】 11月23日(土・祝) サンポートホール高松 大ホール