ブラックストーン社長、日生との関係強化に意欲-「取引増やしたい」
(ブルームバーグ): 日本生命保険が米系生保のレゾリューションライフを82億ドル(約1兆2500億円)で買収したことを受け、米投資ファンドのブラックストーンが日生との関係強化に意欲を示している。
日生は11日、レゾリューションライフを完全子会社化すると発表した。すでに発行済み株式の約23%を保有しており、残りの約77%をブラックストーンなどから取得する。完全子会社化により、米事業を中心に安定的な拡大が見込まれる海外事業の取り込みを図る。
ブラックストーンのジョン・グレイ社長は11日遅く、ゴールドマン・サックス・グループ主催の金融サービス関連のカンファレンスで、今回の買収により日生との取引拡大のチャンスが生まれるかとの質問に対し、「日生と組めばチャンスは増える」と発言。「野心に満ち、経営状況が非常に良好で、かつ思慮深い企業との取引を増やしたい」と述べた。
ブラックストーンは日生による買収が完了した後も、引き続きレゾリューションのプライベートクレジット分野などの投資運用を担当する。
ブラックストーンとレゾリューションとの提携は、保険会社の膨大な手元資金を活用し、優良企業への融資を増やす取り組みの一環。ブラックストーンは同社が資金管理を手掛ける複数の保険会社の少数株主になるというモデルを展開しており、保険会社の全株式を取得するアポロ・グローバル・マネジメントなどの競合他社とは一線を画している。
グレイ氏(54)は、このモデルはブラックストーンのバランスシートをスリムな状態に保つことにつながると指摘。「少額の戦略的資本を活用して連携を示すという考え」がブラックストーンの支持するモデルだと語った。
日生によるレゾリューションの完全子会社化により、ブラックストーンは日本での足場を固めることにもなる。グレイ氏は以前、ブラックストーンが今後3年間にわたり、日本で約200億ドルの不動産および企業への投資を行うとの見通しを示していた。