茨城県公衆無線LAN2000カ所 設置拡大 災害・訪日客も想定
茨城県が整備を進めている無料の公衆無線LAN「IBARAKI FREE Wi-Fi」の設置箇所が、今秋にも2000カ所を超える見通しとなった。2018年の整備開始以降、公共施設や観光、商業施設などに設置が拡大。円安を追い風にインバウンド(訪日客)が過去最多ペースで増える中、施設の利便性を高め、誘客を促すツールとして普及に力を入れる。 県情報システム課によると、県の公衆無線LAN設置箇所数は8月1日現在、公共施設や商業施設など630施設、計1979カ所に上る。4月以降は月10~20カ所のペースで拡大しており、早ければ行楽シーズンを迎える今秋にも、2000カ所を超える見込みだ。 設置施設の内訳は、役所や図書館、公民館などの公共施設が全体の6割超に当たる385施設。このほか、ホテルや飲食店など商業施設が117、博物館や美術館、キャンプ場など観光施設が81、企業や学校などその他が47だった。 県の公衆無線LANは18年8月、県民や訪日客の利便性を高めるため、整備に着手した。県庁舎と県立図書館の3カ所から始め、同月にNTT東日本と整備促進に向けた連携協定を締結。役所や公民館、交流施設を中心に設置数を拡大してきた。 今年1~6月に日本を訪れた外国人客は累計約1778万人で、過去最多だった19年を上回る情勢にある。誘客促進には、快適な旅行環境として利便性向上が求められ、民間施設を含めた無線LANの普及は欠かせない。 地震や洪水など大規模災害時の通信手段としての役割も大きい。このため、県は同課のホームページやチラシなどを通し、無線LANを設置する事業者を募っている。 無線LANの認証方法は施設によって異なる。パスワード認証の場合は共通で「ibarakiken」で、一度認証を受ければ別の施設でも自動で接続される。同課の担当者は「県民や観光で茨城県を訪れた人に便利なツール。今後も積極的に利用可能な施設を増やしたい」と話した。
茨城新聞社