サントリーHD、鳥井信宏氏が社長昇格 10年ぶり創業家
[東京 12日 ロイター] - サントリーホールディングスは12日、創業家出身の鳥井信宏副社長が社長に昇格する人事を発表した。初の創業家以外の社長として同社を約10年間かじ取りした新浪剛史氏は、代表権のある会長に就く。2025年3月下旬に就任する。 1997年に日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)から入社した鳥井氏は、新浪社長の下で2016年に副社長に就任。22年からは、酒類事業を手掛ける子会社サントリーの社長も務める。 同社は国産のワインとウイスキーづくりに注力した初代の鳥井信治郎氏から、4代目の佐治信忠氏まで創業家が社長を務めた。14年にローソンの会長だった新浪氏を5代目社長として迎え入れたが、再び創業家出身者が社長となる。 新浪氏は、佐治社長時代に買収した米蒸留酒大手ジムビームとの統合を進めるなどサントリーHDの世界展開を推進してきた。会長としても海外事業を中心に担っていく。 新浪氏は記者会見で、今回の人事を巡る「大政奉還」との見方に関し、鳥井信宏氏の酒類事業などでの業績に触れ、自身も社長に推薦したと説明。「新たな時代をつくる、そのためのリーダーだ」と語った。 サントリーグローバルスピリッツ(旧ビームサントリー)の上場が視野に入っているかと会見で問われた信宏氏は、入っていないと答えた。