レジェンド、フェデラー氏が全米観戦! 見られた選手側も「自分のスキルを見せなくちゃ」「本当にすごいことだ」と発奮!<SMASH>
佳境を迎えている今季最後のテニス四大大会「全米オープン」。現地9月3日に行なわれた男女シングルス準々決勝では“ある人物”の登場に会場から大きな歓声が上がった。 【画像】サバレンカはじめ、全米オープン2024で熱戦を繰り広げた女子選手たちの厳選写真! その人物とは2004年から08年に全米5連覇を達成したレジェンド、ロジャー・フェデラー氏(スイス/元世界1位/引退)。センターコートのナイトセッション1試合目に実施されたアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ/2位)とジェン・チンウェン(中国/7位)による女子準々決勝の最中に会場のモニターを通してフェデラー氏の姿が映し出されると、観客からは惜しみない拍手と歓声が送られた。 フェデラー氏は続くフランシス・ティアフォー(アメリカ/20位)とグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア/9位)の男子準々決勝も観戦。ここでは隣にいた男子元4位のティム・ヘンマン氏(イギリス/49歳)と話し込む姿が中継映像で捉えられ、これまた大きな反響を呼んでいた。 パリ五輪で金メダルを獲得したジェンとの大一番に6-1、6-2で快勝して4年連続のベスト4進出を果たしたサバレンカは、プレー中にフェデラー氏が観客席にいたことを知ったと試合後の会見でコメント。四大大会で20度もの優勝を誇るレジェンドに何とかいいところを見せようと自身を奮い立たせたという。 「彼の姿はモニターで見たの。ティアフォーとディミトロフの試合を見に来ていたのは確かだと思うけど、それでも私は『そうだ、彼が楽しんでくれるようにベストを尽くさなきゃ』って思った。スライスやネットプレーなど、自分のスキルを見せる必要があると思ったわ」 一方、ディミトロフの途中棄権により2年ぶりの4強入りを決めたティアフォーは、フェデラー氏が観戦に訪れたことを知った時の心境を会見でこう明かしている。 「本当にすごいことだなって。もちろん、(試合中は)彼が来ていたことについてはあまり考えていなかった。ここ数年のレーバー・カップ(フェデラー氏創設の男子団体戦)で、スタンドに彼がいるのを見るのには慣れていたけどね」 またティアフォーはフェデラー氏のトレードマークでもある優雅な立ち振る舞いや、相変わらずの絶大な人気ぶりにも感銘を受けた様子だ。最後にはティアフォーらしいジョークを交えつつ、感嘆の声をこう漏らした。 「スーツ姿の彼は、まさに彼がプレーしている時と同じ(くらいエレガント)だ。汗ひとつかいていないし、Tシャツは完璧にアイロンがかかっている。あの男は一体何なんだ? 髪型だって完璧じゃないか...。なんて男だ。なんてレジェンドだ。人生を楽しみながら、自分のやりたいことをして、どこでもふらっと現れれば、みんなが彼を歓迎する。本当に素敵なことだ。どこに行っても信じられないほどの存在感がある。彼は本当に憧れの的だ」 涙の引退から早2年。サバレンカとティアフォーの言葉を聞くだけでも、いかにフェデラー氏が愛されているのかがわかる。今後も様々な大会でフェデラー氏が姿を見せてくれることを期待しよう。 文●中村光佑