横浜DeNAの“下克上”で再浮上したCS廃止論の賛否
そして里崎氏が指摘するように2位、3位チームが日本シリーズ進出を果たしたのは、セが中日(2007年2位から)、阪神(2014年2位から)、横浜DeNAの3チーム、パが2010年のロッテ(3位から)だけ。11年間でセ、パの優勝チームが、82パーセントの確率で日本シリーズに進出しているだから、CS廃止論を議論する段階にはないのかもしれない。逆に下克上の醍醐味があってこそのCSとも言える。 またチーム数から考えると、メジャーのシステムをそのまま日本に持ち込むことは不可能で、メジャー礼賛の比較論からのCS廃止論も、またナンセンスだろう。 里崎氏は、現在、評論家活動と同時に子供たちへの野球教室などで全国を飛び回って底辺拡大の活動も行っているが、その現場を歩くと、なおさら野球界が抱えている危機的状況を実感するという。 「少子化の影響や、規制、規制で簡単に野球のできるような公園も減り、野球をする子供たちが減っています。実際、子供たちの野球チームもどんどんなくなっています。メディアへの露出を増やし、野球への関心を持ってもらう機会を増やさねば、また1リーグ化や、球界再編という流れに向かってしまいます。そう考えると、CS廃止は、あり得ない選択でしょう」 里崎氏の意見が、CS廃止論の議論の結論で間違っていない気がするが、雨天中止を想定した予備日、日程の問題や、10ゲーム差以上の優勝チームに対するハンディのあり方など、ルールの見直しの議論は、必要かもしれない。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)