〈激戦東京24区〉高市&安倍昭恵に安倍元首相の遺影まで登場! “裏金非公認”萩生田光一「陣営が凍りついた」選挙情勢
「萩生田さんは疑惑王だ」
一方の有田氏も16日夜、隣のJR西八王子駅前で辻元清美立憲民主党代表代行の応援を得て演説会を開いている。 辻元氏は「萩生田さん、子どもたちの教育をつかさどる文部科学大臣をしていた人が、なぜ加計学園のときにも統一教会のときにも、裏金のときにも名前が出てくるのか。統一教会だけの人、裏金だけの人はいるが、三連チャン行なっている。疑惑王だ。普通の企業でも何でも組織では、これだけあったら出場停止でしょ」と舌鋒鋭く萩生田氏をこき下ろし、「そうだ」の声も飛んだ。 ただ、街宣車の周りに集まった聴衆は数十人程度。演説に先立ち有田氏は、駅前のバス停に並ぶ勤め帰りの人たちにあいさつをして回っていた。 有田陣営は選挙公示前、選挙事務所の場所を探しても断られ続けたという。 「空き部屋と宣伝が出ているので使えるか問い合わせると『もう決まった』と断られ続けました。ところがその物件はずっと空いたままということが何度もあったんです」と陣営関係者は話す。 演説会の聴衆の規模では数倍の差がつき、事務所探しにも苦労する―。 強大な地盤を誇り20年間国会議員の職を守り続けてきた萩生田氏とは勝負にならない状況も想像できる。ところが、オモテに表れない民心はかなり違うようなのだ。 「絶対に負けてはならない選挙です。しかし、かつてないほど厳しい」と話すのは萩生田陣営の関係者だ。 こうした発信は支持層の引き締めが目的ではなさそうだ。別の自民党筋は話す。 「党は10月に入ってから2回世論調査をしています。そのうち初旬の調査では有田候補が萩生田候補を上回ったのです。陣営は超緊張状態になりました。 系列の市議、都議の後援会組織が走り回り、10月11~13日に行なった2回目の調査では何とか萩生田候補が逆転しました。しかし僅差で、投票する候補者を決めていない人もかなりいます。安心できる状況ではまったくありません」
昭恵さんは報道陣に答えず
17日には読売新聞が、両候補が「デッドヒートを繰り広げている」との情勢を報道。18日には日本経済新聞が有田氏がリードしていると伝えた。 「いくつかのメディアが世論調査を行なっているが、どちらが前に出ているのか、判断がつかない僅差になっていると聞いた」と古参の自民党員も話す。 「群衆が少なかったり、事務所探しに苦労したりしているのは、有田氏を応援するところを周りの人に見られたくないという心理があるんじゃないでしょうかね。 しかし心の中では今回は萩生田氏ではなく有田氏だと思っている人がかなり多いことを、世論調査の数字は示しているようです」(社会部記者) こうして萩生田選対は「助っ人」を次々頼む事態になっているとみられる。 その一人、安倍元首相の妻・昭恵氏は16日に八王子に入り、報道陣をシャットアウトした会合で萩生田氏への支援を訴えた。 昭恵氏は当日、報道陣の呼びかけに答えずに会場を離れたが、萩生田光一事務所は17日に会合の動画をSNSで一部公開した。 昭恵氏は安倍元首相の遺影をそばに置いて「萩生田先生、もう一度新しい命を皆さんの手で吹き込んでいただけたらなあと思います。主人は命が亡くなってしまいましたけれども、萩生田先生はその分までもっともっと活躍していただきたい」などと語っていた。 「取材を認めなかった会合での昭恵さんの発言をSNSで発信しているのも象徴的ですが、萩生田氏も演説と、事務所によるSNS発信という一方的なアピールが目立ちます。内向きで組織票固めを優先する選挙戦術を見ても、危機感は強いように感じます」(社会部記者) この戦術が奏功して萩生田氏が逃げ切るのか、有田氏がジャイアントキリングを果たすのか。「日本一注目されている選挙区」はますます熱くなりそうだ。 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
集英社オンライン編集部ニュース班