最終戦を4位で締めくくった小椋藍選手「難しかった……」と表すMoto2の4シーズン【MotoGP第20戦ソリダリティGP】
Moto2クラス参戦の、4シーズンを振り返る
小椋選手は、2021年シーズンからMoto2クラスを戦った4シーズンを、こう振り返ります。 「難しかったですね……」と。
「去年(2023年)にこういう結果が出ていれば、気持ち良かったと思うんです。ものすごく。今まではどの選手権、カテゴリーでも2年でした。今まで4年間もいたクラスはないんです。自分がそのカテゴリーについて納得するのに、倍の年数がかかったということなんです。それだけ難しかったということではあります」 しかし同時に、「個人的に僕はMoto2クラスが好きなんだと思います」とも言います。その理由のひとつは「ライダー次第だと思うから」なのだそうです。 Moto2クラスはトライアンフのワンメイクエンジンを、カレックスやボスコスクーロというシャシーコンストラクターのシャシーに搭載したマシンで争われます。タイヤも現在はピレリのワンメイクです。ほとんどワンメイクレースと言ってよく、その分、ライダーの実力(あるいはチーム力も)が問われます。 「MotoGPクラスより組織がきっちりし過ぎていないし、こじんまりしたチームで、自分のスタッフ4人くらいと頑張る感じです。そういうのが好きなんだと思います」 世界チャンピオンを獲得したにもかかわらず、自分にプラスアルファのない評価の目を向けるのは小椋選手らしいところです。そんな小椋選手に、「チャンピオンを獲得する前とその後、見える景色は変わりましたか?」と尋ねました。 「そんなことはないですね……。今日も普通に緊張しましたし、僕としてはいつも通りのレースをしたと思っています。何かが変わったという感じはないですね」 小椋選手らしい答えでした。 この「小椋選手らしい」という表現は、小椋選手を取材すればするほど、重ねて使ってしまいます。その表現を使いたくなるほど、小椋選手は「小椋藍らしさ」を崩すことがないのです。それは世界チャンピオンに輝いたシーズンの最終戦でさえも、です。 小椋選手は、自分のスタイルを貫き続けています。きっと、MotoGPクラスでもその「小椋藍らしい」姿勢で前進していくのでしょう。 ■Moto2クラスとは…… Moto2クラスは、トライアンフ「ストリートトリプルRS」の排気量765ccの3気筒エンジンをベースに開発されたオフィシャルエンジンと、シャシーコンストラクターが製作したオリジナルシャシーを組み合わせたマシンによって争われる。タイヤは2024年よりピレリのワンメイクとなった。クラスとしてはMotoGPクラスとMoto3クラスの中間に位置する。
伊藤英里