【解説】「YCCは植田総裁もできれば早いうちにやめたい?」日銀政策決定会合の内容を経済部の宮島香澄解説委員が解説
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日本銀行が金融政策決定会合で一定の金利上昇を容認する決定をしました。決定会合後の植田総裁の記者会見について、経済部の宮島香澄解説委員が今回の会見のポイントを説明しながら、詳しく解説します。
■日本銀行が金融政策決定会合で一定の金利上昇を容認する決定
Q.植田総裁の下での金融政策決定会合も3回目となりました植田日銀がついに動き出したと言うことなんでしょうか 経済部・宮島解説委員 「かなり緊張感がある難しい会見でした。最後のほうにもっと質問受けるべきじゃないかと言うような記者の声もあったんですけれども、ちょっと、政策コミニケーションをしっかりやるという植田総裁の気持ちからすると、記者と会話がうまくいくのか心配になるような状況があったと思います」 「実際に政策が難しいと言うこともあるんですけれどもちょっと私から見ても納得がいかないようなところもありました」
■植田総裁会見のポイント
経済部・宮島解説委員 「こちらが今回の会見のポイントです。まず今の金融政策をどうするかということに関しましては、大規模な金融緩和を維持すると決めました。一方で、その運用の形で、今よりも金利が上がることを容認すると言うことを、運用で金利上昇があってもいいということを決めました」 「この意味としては、今までちょっきり長期金利が0.5%まで上がるとそれ以上にはいかないよう、押さえ込もうとしていたんですけれども、今後はそれを押さえ込もうとしないと決めたんです。」 「本当に金利が1%まで行ったら押さえ込むぞっていう話なんですけれども、このあたりの考え方を中心に会見では記者からたくさん質問が出ていました」 「何のためかというと、リスクに機動的に対応すると。特に物価が上がっている状況の中で、本来のこの政策の効果と副作用が強く出てしまう可能性が今後はあるので、それに対応すると、事前に手当てしたのだと言っています」 「金利が1%まで行っちゃうとオペレーションするというのですが、さすがに今の金利ですぐに1%に行くということは考えていないと言っています。」 「1%行かないんですけれども、今日も0.5を%超えましたが、0.6%はいいのかな、0.8%はどうなんだろうということで、非常に判断が難しいし、市場がどう考えたらいいのかちょっと分からなくなる内容でした」 「一方で、物価の見通しは、今年度のこれまでの見通しを上げました。今年度の物価見通しは+2.5%。一方で、2%行くかもしれないと言う想定もあった来年度に関しては、1.9%です。つまり、今、足もとの物価は結構上がっている。思った以上に上がっているんだけれども、ここから先はどうかと言うと、2%行かないんではないかというのが今の見通しです。」 「その結果、物価の安定目標、安定的に2%に行くという目指している状況には『距離がある』と総裁は話しました」 「あと、金融政策をする上でアメリカの状況は非常に重要になるんですけれども、そのアメリカがソフトランディングの可能性が高まったという言い方をしました。つまり、今もなお心配があるけれども、意外と堅調でうまくソフトランディングできるのではないかという見方でした。」 「また、今こういう風にいろいろな手当てをしなくちゃいけないのは、物価見通しやいろいろな状況を日銀の予想に織り込めてないんじゃないかと言う質問に対して、今の状況は織り込めてないと、いろいろなリスクがあるので今回の手当てをしたということが今回の総裁の説明です」