元ミス東大が語る、浪人生活 二度目の受験、ページ飛ばすミス「終わった…」
入試本番、思わぬミス
――二度目の受験では、東大のほかにどこに出願したのですか。 2浪はしないと決めていたので、明治大学政治経済学部をセンター利用入試で出願し、あとは慶應義塾大学の経済学部と商学部、早稲田大学の政治経済学部、一橋大学の経済学部を受けました。明治大学、慶應義塾大学は合格し、早稲田大学と一橋大学はダメでした。 ――東大の試験の日はどんな感じでしたか。 いつも通りに振る舞うように気をつけました。いつもの単語帳、筆箱、シャーペン、ハンカチ、お弁当を持って行きました。試験科目は1日目が国語と数学でした。国語は当たり前のようにスラスラ解けて、こんなもんかなと思って終了時間に解答用紙を見たら、空欄があった。つまり、解いてない問題があったんです。うわっと思ったけど、「数点のマイナスだし」と気を取り直して次の数学に臨みました。でも、得意なはずの数学が普通ぐらいしかできなくて、そこから「もうダメかもしれない」という思いでいっぱいになりました。こういうとき、友達の存在は大きいですね。帰りに偶然、5人組の友人の1人に会って、カフェで話すうちに気持ちを落ち着けることができました。 ――2日目の試験は社会と英語でしたね。 社会はうまくいったと思っていたら、昼休みに、ページを飛ばしていたことに気づきました。前日のミスと合わせて20点くらいのマイナスです。最後の英語は焦って心臓バクバクになってしまい、いつもはできるリスニングが聞き取れませんでした。「終わった」と思いました。 帰りがけに5人組のうちの3人がたまたま一緒になったんですけど、優秀な子も失敗していました。3人とも、今まで全力を尽くしてきた受験というものが終わってしまって、何が何だかわからないような状態に。ボケっとしたまま一緒に電車に乗ったものの、気づいたら終点の浅草駅まで行っていたほどボケっとしていました(笑)。そこでパフェを食べて、「大学は違っても一緒に遊ぼうね」と言って別れ、その後も合格発表までは遊びまくりました。というのも、自信をなくしていたので、時間が溶けるようなことをしていないと正気を保っていられなかったんです。 でも結局、5人とも東大に合格できていました。ホッとしました。 ――浪人期間中、両親との関係はいかがでしたか。 私はとやかく言われるのが好きじゃないので、親は完全にシャットアウトしていました。親族に東大出身者がいないこともあって、両親は不安だったと思うし、早く起きなさいとか、いろいろ言いたかったと思いますけど、口を出さないでくれたのがいちばんよかったです。母は毎日お弁当を持たせてくれて、本当に頭が上がりません。