【日本株週間展望】小反発、景気指標が手掛かりに-内需株選好か
(ブルームバーグ): 11月4週(25-29日)の日本株は小幅に反発する見込み。企業決算が一巡し、経済指標や米国株の動向が手掛かりとなる。景気の好調が示されれば、投資家心理の改善から買いが入りやすい。
11月3週の東証株価指数(TOPIX)は週間で0.6%安と続落。国内企業の決算が低調だったことに加え、ウクライナ情勢を巡る地政学リスクが再び意識され、投資家心理が冷え込んだ。人工知能(AI)向け半導体を手掛ける米エヌビディアなど、市場への影響が大きい企業の決算が国内外で出そろい、市場の関心は経済指標へと徐々に移っていく。
米国指標は堅調な経済を示すとみられており、株式相場を押し上げそうだ。来週発表の主要指標は、個人消費支出(PCE)価格指数(10月)、新規失業保険申請件数(23日終了週)など。11月の消費者信頼感指数は前月から上昇が予想されており、買い材料となりやすい。
国内では全国消費者物価指数(CPI)の先行指標とされる東京都区部CPI(11月)が29日に発表される。生鮮食品を除くコアCPIは前年同月比2%上昇と、10月の1.8%から伸び率が拡大すると予想されている。22日発表の10月の全国コアCPIは市場予想を上回る上昇率で日本銀行の利上げ観測を補強、銀行株などを押し上げた。
《市場関係者の見方》
りそなアセットマネジメントの下出衛チーフストラテジスト
マクロ・ミクロ共に決定的な材料がない中、日本株は米国市場に連動して推移する展開となりそうで、米国株がどこまで強くなるかが焦点となる。足元で米経済の悪化を示す指標は出ておらず、下がると押し目買いが入る状態。米国経済が新政権でさらに上向く期待もある一方で、関税への懸念が引き続き国内の輸出銘柄中心に重しとなり、消去法的に内需株が選好されそうだ。
T&Dアセットマネジメントの酒井祐輔シニア・トレーダー
臨時国会召集よりはトランプ次期大統領の動きの方が注目されるだろう。同氏の政策がはっきりしたら、日本の経済見通しに反映させると植田日銀総裁も語っている。ウクライナとロシアの問題も急にバイデン大統領がアクセルを踏み始めたので、上値を重たくさせるだろう。