ピアッジオ「史上最速のベスパ」発表 310ccエンジン搭載
イタリアの「ベスパ」といえば、ご存知のとおりスクーター界に君臨するブランドだ。その親会社であるピアジオは現地時間11月5日、さらに刺激を高めた待望の「ベスパ GTS 310」を発表。これまであなたが乗ったことのあるどのベスパよりも速く走れる驚異的な二輪車だ。 【画像】「史上最速」のベスパ GTS 310 ■向上した速さの理由 その進化の中核は、ベスパの新型310cc単気筒4ストロークエンジンだ。シリンダーのピストンストロークが63mmから70.1mmに伸ばされたことで、排気量は278ccから310ccに拡大。最高出力は17.5kW(23.8ps)から18.4kW(25.0ps)に向上した。トルクも増大し、ロングストローク化によって、追い越し時やコーナリング時など、走行時の柔軟性もさらに高まった。このユニットは、同社の最高峰の水冷278ccエンジンを基に、さらなる重要な改良が他にも施されており、構成部品の70%以上が完全に新設計されている。排気量の拡大とともに、向上した新たに性能を発揮できるようになった。 これらの技術的進歩は、ベスパの扱いやすさをさらに高めることに貢献するものだ。個人的な経験から言えば、ベスパのスクーターには絶妙なバランスと工芸が感じられるが、ライダーの多くはエンジンが必要に応じてさらなるパワーを発揮することを厭わないものだ。だから、このGTS 310は大歓迎されるに違いない。クラブやジム、スーパーマーケット、パーティーに乗って行っても、通勤・通学に使っても、いずれもフィットするだろう。 ■エンジンについてさらに詳しく 低速域から発生するトルクは、スロットルを開ければ瞬時に立ち上がり、減速と加速を繰り返す必要がある都市環境の中を駆け回る際にも、強力で斬新的な加速力を発揮できる。例えば、ニューヨーク市のソーホー地区にある石畳の道路は、低速で走行する際には常に細心の注意が必要だが、パワーがあれば楽に石を乗り越えることができる。交差点もより素早く通過できるため、もたつくことも少なくなるはずだ。 改良されたエンジン部品に加え、パワートレインには新しい燃料噴射装置や始動システム、傾斜シリンダー、そして機械ノイズやドライブベルトのノイズを大幅に抑制するクランクケース設計などが採用されている。振動と騒音レベルは従来モデルでも最小限に抑えられていたが、ピアジオによれば新型エンジンではさらに低減したという。 ベスパの偉大なところは、年月を経るごとに改変に改変を重ねてきたが、その多くが改善につながっていることだ。だから、今回もそうだろうと期待できる。今後、数カ月以内には試乗してみるつもりだ。なお、GTS 310にはベースグレードのほか、「Super」と「SuperSport」という3種類のトリムが設定されている。これらの異なる仕様やスタイルについては公式サイトをご覧いただきたい。参考までにイタリア本国における価格は、GTS 310が7199ユーロ(約119.5万円)、GTS 310 Supeが7299ユーロ(約121万円)、GTS 310 SuperSportが7499ユーロ(約124.5万円)となっている。 ベスパははるか昔から現在に至るまで、誰もが知る名前であり続け、数々の映画や映像、物語に登場してきた。今でも、その関連性や遍在性、販売を保ち続けていることは嬉しい限りだ。 それではみなさん、安全運転を。
Josh Max