元スキー雑誌編集者が立ち上げたファッションブランド「ボーゲン」 レトロなスキームードが魅力
「ボーゲン(BOGEN)」は、スキーや雪山をモチーフにしたファッションブランド。北海道出身で、幼いころは学校帰りに毎日スキーをしていたという小川剛史さんが手掛けている。ブランド立ち上げ前はスキー雑誌の編集者だったという小川さんは、「スキーの面白さを言葉で説明するのは限界がある。もっと感覚的にスキーの楽しさを伝えたい」という思いで、2011年に「ボーゲン」を開始。スキーウエアというとアウトドアブランドの独壇場というイメージがあるが、「ボーゲン」は一味違う選択肢として、スキーをしない層にもファッションとして支持されている(この記事は、「WWDJAPAN」12月4日号“スノースポーツ特集”の関連記事です)。 【画像】元スキー雑誌編集者が立ち上げたファッションブランド「ボーゲン」 レトロなスキームードが魅力
ブランドをスタートしたとき、小川さんはアパレル経験ゼロ。でも、「服はもともと好きだった。第1次古着ブームの世代として、服にはある程度“授業料”も払ってきた」と振り返る。そうしたユーザー目線は、ブランド運営やデザインにもちろん生きている。「いちスキーヤーとしていろんなブランドのスキーウエアを着てきて、満足するものがないので作ろうと考えた」と話す。
今のスキーウエアは、スキー専業ブランドの製品もアウトドアブランドの製品も、ファッションとしての楽しさというより、動きやすいパターンや、防水・透湿といった素材を追求して作っているものが中心。その結果、「ロゴがなければどこのウエアか分からないケースも多い」と見る。よほど過酷な山行をしない限り、果たしてそこまでの機能性の追求が必要なのかという疑問もある。そんな中で「ボーゲン」が目指すのは、「買ったときに踊りたくなっちゃうぐらいのうれしさや高揚感を感じられるウエア」。機能性などのスペックの追求だけでなく、楽しさを感じるデザインやビジュアル表現が他にない魅力だ。
「ボーゲン」がきっかけで
スキーを始めた客も
具体的には、裾に向かってややテーパードしたビブパンツ(9万9000円)や、それとバランスのいい少し短めの丈の身幅の広いブルゾン(9万9000円)などをスキーウエアとして企画。学生服の“短ラン”と“ボンタン”のようなバランスに、ちょっとレトロなムードが漂う。ECサイトに書かれている、「(他の)スキーウエアの、やる気ある感じが苦手な方に最適」といった表現も面白い。ビジュアルも、映画「私をスキーに連れてって」をオマージュして撮ったものがあったりと楽しい。