トランプ氏の政策にジョーカーはあるのか? 投資家が注視したいポイント
海外への影響 欧州の極右が歓迎ムード 日本は?
今年はすでに、ブレクジットおよびトランプ大統領選任といった、世界を揺るがすポピュリズムを中心とする、2大ハプニングが発生しています。それを最も歓迎しているのは、ロシアのウラジミール・プーチン大統領を先頭に、極右を含む右派勢力です。欧州は、今後目白押しに総選挙を迎えます。トランプ氏勝利宣言と同時に、ハンガリーの剛腕オーバン・ヴィクトル首相とフランス極右「国民戦線」党首マリーヌ・ルペン氏からはエールが送られています。イタリアは12月に国民投票を控え、マッテオ・レンツィ首相を存続が危ぶまれています。オーストリアも前回選挙結果が無効となり、極右「自由党」のハインツ=クリスティアン・シュトラーヒェ党首が注目されています。2017年の欧州は主要国総選挙の年で、オランダ、フランスとドイツが含まれています。 もっとも注目されるのはフランスのルペン氏で、2次選まで進むことは確実視されています。もし彼女が大統領に就任すれば、欧州連合(EU)離脱が濃厚となり、欧州情勢は重大危機を迎えることになります。今後の世界情勢はドミノ現象が生じる危険性をはらんでいます。 その中、消去法により、主要国で最も安定している国家は日本となるでしょう。安定政権のもと、日本の外交手腕が期待されるところです。いずれにしても地政学リスクとしては、必然的に悪化する方向に進展していると考えていいでしょう。 (あおぞら証券 顧問・伊藤武) ※本資料は情報提供のみを目的として作成されたものです。著者が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。ここ掲げる過去のデータは将来の動向を示唆するものでもなく、実際の収益を確約するものではありません。記載内容は作成時点のものであり、予告なく変更されることがあります。また、この資料に記載された内容の著作権は著者に帰属します。