ブルーベリー観光農園増えてます 「農業は財産」これが練馬の生きる道
現在、移転問題で揺れている築地市場には、あまり知られていませんが野菜や果物などを扱う青果市場があります。築地の青果市場には全国からたくさんの野菜・果物が集まりますが、東京都産の野菜・果物も取り扱われています。 戦後、宅地化や都市化によって、東京の農地面積は一貫して減り続けてきました。なかでも激減したのが23区です。しかし、2009(平成21)年には、若者であふれる渋谷でギャルがコメ作りに挑戦するプロジェクトも開始されるなど、近年では都市部でも農業や農地の役割が見直されるようになりました。 昨年には、都市農業振興基本法が成立。都市農業の重要性は高まっていますが、それでも農業従事者・農地の減少には歯止めがかかっていないため、そうした現状を改善させようとする自治体やJA、農家は少なくありません。23区では農業が盛んな練馬区が、区民などを巻き込んだ農業政策を始めています。
農家と交流 練馬区の試み
埼玉県と隣接する練馬区は、高層ビルが立ち並ぶ東京都心部から電車で30分。練馬区は東京23区でもっとも広大な農地面積を誇るので、都心とは異なる風景が広がっています。 農業が盛んな練馬区でも、農家数・農業従事者の人口は減少の一途をたどっています。2007(平成19)年に746あった農業戸数は、2016(平成28)年に441まで減少。同じく農業従事者数は、1683人から919人まで減少しています。 練馬区都市農業担当部都市農業課は「もともと練馬区は農業が盛んな土地です」と振り返ります。しかし、戦後は宅地化が進み、近年は農業と触れ合ったことがない新住民も多くなりました。そうした新住民の間にも“自然と触れ合いたい”“農業体験をしたい”といったニーズがあります。昨今、市民に畑を貸し出して自由に農業を楽しむ“市民農園”事業に取り組んでいる市町村も多くあります。 「練馬区は市民農園をさらに深化させて、実際に農家が経営・管理している畑などを区民が訪問し、農業のプロである農家の指導を受けながら害虫対策・肥料管理・収穫などをする農業体験農園事業を実施しています。同事業では、農業の楽しさを感じてもらうだけではなく、農家と交流することで農業の役割をより理解してもらうことを目的にしています」(同)。