【中西清起】阪神野手陣は「才木まで殺してしまうのか」0-1で新火曜日の男・才木浩人見殺し!
<中日1-0阪神>◇25日◇倉敷 阪神85年日本一の守護神で、05年のリーグ優勝時に投手コーチを務めた中西清起氏(61)が試合をチェック。「新火曜日の男」として先発した才木浩人投手(25)が8回1失点と好投しながら敗れた一戦で、援護できなかった打線を厳しく指摘。「週頭に持ってきた意図を考え直してほしい。才木まで殺してしまうのか」と一層の奮起を求めました。【聞き手=松井清員】 【写真】先制を許し、悔しそうな表情を見せる才木 ◇ ◇ ◇ 阪神の野手陣は、才木を週頭の火曜日に持ってきた意図を分かっていたのだろうか。中日先発小笠原の投球も素晴らしかったが、食らいついて、何としても援護するんだという姿勢、気迫が見えなかった。見殺しの0-1完封負けは結果としては最悪で、同じ1敗でもローテを替えてまで起用した才木での負けは重い。 火曜日を任せる投手はチームのエース格だ。6連戦の頭を取り、最低カード2勝1敗で勢いづきたい思いがある。才木の前は昨季のMVP右腕村上が務めた。防御率はリーグ9位の2・12ながら2勝5敗。勝ち星に恵まれないのは打線の援護がないからで、6試合勝てない悪循環にはまっている。今度は才木まで殺してしまうのか、という話だ。 当然、相手もエース格がくるから攻略は簡単ではない。それにしても限度がある。今季、打線で勝った試合はいくつあるのか? 岡田監督が前回指揮を執った際に投手コーチを務めさせてもらったが、投手陣が好投しながら打てない試合が続いた時は、打撃コーチに「いいかげんにしいや」と言ってよくケンカした。「この試合は先発に勝ちがついて、リリーフにホールドがついて、抑えにセーブがついた試合だ」と。コーチとして投手陣を守ることが一番の使命だが、特に火曜日に勝てないのは、ペナントレースを左右しかねない重大事項にもなるからだ。 野手陣、チーム全体でいま一度、「火曜日才木」の意図を考え直してほしい。もちろん、奮起してほしいのは週頭だけではない。10試合で防御率1・36と抜群でも3勝3敗の西勇をはじめ、大竹も4勝4敗、伊藤将も3勝3敗と、先発の役割を果たしても負けがつく試合が目立つ。それぞれ1、2個は勝ちを増やして負けを減らせたはずだ。このままでは勝負どころに入る7月、8月に、リリーフ陣も含めて投手陣は持たない。苦い教訓としてしっかり胸にとどめてほしい敗戦だ。(日刊スポーツ評論家)