本郷和人『光る君へ』栄光を取り戻すために『枕草子』を使うことを思いついた伊周。なぜ貴族にとって「春はあけぼの」が最高かと言えば、もちろん男女の…
◆貴族の朝 だいたい貴族は早起きでした。3時とか、4時には起きる。 口をゆすぎ髪の乱れを直すなど身支度を調え、仏や星に祈り、日記を書く(昨日のできごとをまとめて)。また軽食(おかゆなど)をとることも。それで6時か7時ごろ、牛車に乗り、御所に出かけていきます。 朝廷での執務は朝に行うのが基本です(だから「朝」廷)。午前10とか11時には仕事を終えて帰宅。ここで正式な朝食をとります。
◆貴族の午後は<自由時間> 午後からは自由時間。管弦とか読書とか和歌の勉強。これは大切な教養として、その人の価値を高めます。 囲碁、蹴鞠、双六。これらの遊びもみな社交に直結します。おろそかにはできません。 午後4時頃には夕食をとります。日が沈むと「夜」ですが、この時間帯には種々のパーティーが催されるのでお呼ばれする。 また意中の女性のところに通うわけですね。そこで酒を飲みながら月を眺めてみやびな愛の語らいを…。 やっぱりリア充め、許せん…。
本郷和人
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