バンナムHで人員整理の動き、ゲーム不振続く-関係者
(ブルームバーグ): バンダイナムコホールディングスが人員整理に向けた動きを見せている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。新型コロナウイルス感染症収束後、ゲーム業界全体で低迷が続く中、同社は運用中や開発中のゲーム数を削減していた。
関係者らによると、約1300人の従業員を擁する傘下のバンダイナムコスタジオが4月に3つのスタジオに専用の部屋を設置。この部屋にはこれまで約200人が配置され、すでに100人近くが退社。今後も会社を去る人が続く見通しという。
解雇に関する規制が厳しい日本では欧米式のレイオフが難しいということもあり、実質的な業務が与えられないいわゆる「追い出し部屋」を設けて従業員に自発的な退職を促すことはこれまでも多々行われてきた。
同社の担当者は、運営中のゲームのサービス終了に関しては総合的に適宜判断をしていると説明。社員が次のプロジェクトに割り当てられるまで一定期間待つ場合もあるが、同スタジオに従業員に自主退職を迫るための部屋は存在しないと述べた。
コロナ禍で定着した在宅需要で業績を大きく伸ばしたゲーム業界だが、感染収束で社会活動が正常化すると人々がゲームに費やす時間が減り、業界全体が低迷から抜け出せないでいる。バンナムHDも、ゲームのラインアップ見直しで2023年4-12月累計で210億円の評価損や処分損を計上した、と2月に発表していた。
同社は、スマートフォン向けの「テイルズ オブ ザ レイズ」を終了。また、大型予算を投じたオンラインゲーム「ブループロトコル」のサービス終了を予定する。さらに複数の稼働中スマホゲームや開発中の未発表タイトルについても、中止または開発中断の決定が下されている。スクウェア・エニックス・ホールディングスが複数の不採算スマホゲームを中止したほか、ソニーグループがオンラインゲーム「コンコード」をサービス開始から2週間で終了決定するなど、他社でもスマホやオンラインゲームの領域で同様の動きが出ている。