ネットと世論調査で“熱烈支持”される「高市早苗氏」 史上初の“女性総理候補”に吹き荒れる「3つの逆風」
一人の総裁選
詳しくは記事をお読みいただきたいが、文中から政治部記者のコメントをご紹介しよう。 《高市氏は保守票の最大の受け皿になると見られています。ネット人気がズバ抜けている高市氏については、閣僚としての仕事ぶりに対する党内での評価も高く、“進次郎に乗れない”議員にとって有力な候補の一人に躍り出ようとしている。さらに麻生太郎・副総裁の動向次第では、『高市こそが進次郎の対抗馬になり得る』との声も囁かれ始めています》 Xだけでなくネットメディアのコメント欄を見ても、ネット上で高市氏が抜群の人気を誇っていることが分かる。決選投票に進んでも全く不思議はないのだが、“リアル”な政治の現場では高市氏に対する“逆風”も吹いているという。 政治アナリストの伊藤惇夫氏は「2022年に安倍晋三さんが銃撃されて亡くなりました。高市さんは保守派の政治家として『安倍さんの遺志を継ぐ』ことを全面に打ち出し、一部有権者の熱烈な支持を受けてきました」と言う。 「一つ気になるのは、高市さんを支援する国会議員と党員が減っているのではないかという点です。2021年9月の総裁選で高市さんは議員票114、党員票74を獲得しました。ところが今回の総裁選では、20人の推薦人を集めるのに少し苦労した節が見受けられます。安倍さんの強力なバックアップがあって高市さんは存在感を発揮してきましたが、今回の総裁選は高市さんお一人でどこまでやれるのか、これが注目のポイントでしょう」
客寄せパンダには不向き?
具体的に逆風の内容を見てみよう。高市氏が今後、総裁選で直面する逆風は大きく3つあるという。 「1つ目は、自民党が総裁選を大々的に宣伝している理由と直結しています。自民党は裏金事件で現在でも国民の強い批判を浴びていますが、それでも抜本的な改革は行わないようです。しかし、それでは選挙に負けるため、新総裁=新首相を誕生させて有権者の短期的な支持を得ようと考えています。そのために新総裁は有権者から広範な支持を得られる“八方美人”タイプだと都合がいいわけです。高市さんを熱心に支援する自民党員の“岩盤層”は15%から20%というところでしょう。そして彼女にはアンチの有権者も多いという弱点があります。彼女が新首相として総選挙を戦うとどうなるか、という点は自民党の国会議員も党員も熟考するはずです」(同・伊藤氏) 身も蓋もない言い方をすれば、次の総裁は“客寄せパンダ”だと自民党にとっては最高なのだろう。保守派の論客として知られる高市氏は果たして“パンダ”になれるのだろうか、という問題だ。