丸亀製麺CMが“ヌーハラ”で炎上? 「すする音」はいつから批判されるようになったのか…「永谷園のお茶づけCM」はファンが多いのに、なぜ?
やはり、これは少数意見をメディアが取り上げて、SNSユーザーがそれに乗って話題を増幅させて論争するという、いわば「作られた炎上」だったと言えるだろう。筆者はこのような「作られた炎上」について何度も記事を書いてきたのだが、特に2024年は多くの“炎上”がつくり出されてしまっている。 ■永谷園「ただいまお茶づけ中」のCMは許された 「音を立てて食事をするCM」で思い出させられるのが、1997年の永谷園・お茶漬け海苔の「ただいまお茶づけ中」のCMだ。
男性が、電話の音が鳴る中で、一心不乱にお茶づけを食べ続けるという、シンプルなCMだったのだが、大きな評判を生んだ。CM効果で売り上げも好調だったようだ。 このCMが放映された頃、筆者は広告会社の新入社員だったのだが、本CMの出演者がタレントではなく、広告会社の社員であったことも、業界内で話題になっていたことを記憶している。 このCMの中で、お茶漬けを食べる音は大きいのだが、当時「マナーが悪い」「不快だ」といった批判が出ていた記憶はない。
なお、このCMは「お茶づけ海苔」発売70周年を記念して、2022年にそのままリバイバル放送されている。このときも“炎上”は起きていないし、批判的な意見は少数派だったように思う。 さらに、永谷園は今年の1月~2月に「#ただいまお茶づけ中」のハッシュタグを付けて、TikTokに動画を投稿するコンテストを開催している。こちらも炎上はしていない。 食品や飲食店の広告では、「おいしそうに食べるシーン」が非常に重要で、その描き方によって売り上げが変わることも多い。一方で、飲食シーンが入る広告は、食べ方、マナーについて批判が起きることもあり、表現が行き過ぎると、逆効果になってしまうこともある。
■なぜ丸亀製麺のCMは物議を醸したのか 同じCMでも、丸亀製麺のものは永谷園とどう違うのだろう? 考えられる点としては、 1. 食べているものが麺であること 2. 放映時期が異なること 3. 出演者が女性であること といったところだろう。 “ヌーハラ”という言葉が話題になっているから、SNSでネタにされてしまったというのも大きいように思える。 また、「作られた炎上」は数年前から見られたが、そのトレンドはここ1年くらいで加速している。