「無念な想い渦巻くけれど」中山美穂さん死去、岩井俊二監督ら悼む声
中山美穂さんが6日に死去した。「ミポリン」の愛称で、歌手として、俳優として、多くの人に愛された。突然の訃報(ふほう)に驚きと悼む声が続いた。 【写真まとめ】中山美穂さんの活躍を振り返る デビューから最近まで 中山さんの代表作である映画「Love Letter」を手がけた岩井俊二監督は6日夜、Xの公式アカウントに追悼の言葉を投稿した。 デビュー40周年、「Love Letter」30周年、そんなメモリアルな来たる2025年、雪のあるうちに一緒に小樽に聖地巡礼しよう――。そんな約束をしていた矢先の訃報(ふほう)だったという。 「悔しい想(おも)い、無念な想い、様々渦巻くけれど。まだご冥福をとか、極(きま)り文句は口にしたくない思いもある」と打ち明け、こう悼んだ。 「今夜は気持ちだけですが、あなたの側に居ようと思います」 中山さんと公私にわたる付き合いがあったという脚本家の北川悦吏子さんは、自身のX公式アカウントで、「『えっちゃん』って呼ぶ、あの声をもう聞けないのか」とつづった。 中山さんは、北川さんが脚本・監督を務めた映画「新しい靴を買わなくちゃ」(2012年)などに出演。「私が出逢(あ)った中で一番美しい女優さんだった」。北川さんの入院時には中山さんがひとりで見舞いに訪れることもあったという。「美しい思い出しかない。泣き続けるよ」 中山さんと同じ1985年にデビューしたタレントの森口博子さん(56)は、ラジオ番組で、「信じられないというか、動揺しているというか、なんでっていう気持ちでいっぱいです。あまりにも突然で私も気持ちの整理が……。後で、美穂ちゃんと、気持ちを通わせてお話しさせていただきたいと思います」と涙声で語った。 アナウンサーの有働由美子さん(55)は、自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組で、中山さんの訃報に言及した。「私は同世代。(中山さんが10代で)デビューされたころ、ドラマ『毎度おさわがせします』でつっぱり少女役をされて、本当、鮮烈なイメージで」と、中山さんの出演作品や楽曲について回想した。 NHKの番組「あさイチ」を担当していたころ、生放送でインタビューしたことにも触れ、「正直に言葉を紡ぐ方というイメージがある。同世代でずっと輝いていた」と語った。 俳優の竹中直人さんは、中山さんの急な訃報に接し、「信じようとしても信じられない現実に息が止まってしまいそうです」との追悼コメントを公表した。中山さんは、映画「東京日和」(97年)で、竹中さん演じる写真家の亡き妻を演じ、日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞した。 竹中さんは、自らが監督した同作の撮影を振り返り、「美穂さんの全ての表情が深く目に焼き付いています」と述懐。 「本当に素晴らしい映画女優でした…。過去の言葉で言ってしまう事があまりにも苦しく、せつないです」 中山さんの所属事務所はホームページで、「日頃よりお世話になっている関係者の皆様及び応援してくださっているファンの皆様に、突然このようなお知らせをすることになり、心苦しいばかりですが、あまりに突然の出来事で、弊社も驚きと悲しみで呆然(ぼうぜん)としております」とコメントした。
朝日新聞社