中森明菜、山口百恵、宇多田ヒカル…家入レオが惹かれた「あどけなさの中にある、成熟した精神」
尾崎 豊の『15の夜』が作曲のきっかけに
その後、家入が曲を作り始めるきっかけは13歳のとき。尾崎 豊の『15の夜』を聴いたことだった。 家入:自分でメロディーを作ったり歌詞を作ったりしていいんだってところから、シンガーソングライターのCDを、当時はレンタルCDショップで借りまくって聴いていました。 クリス:それまでは歌手は誰かに楽曲を提供してもらうと思っていたと。 家入:そういうかたちなのかなっていうのが漠然とあったんですけど、そうだよなって。自分で作っている方もいるってことは、私も作っていいんだって思って。そのときはYUIさんのような女性シンガーソングライターの全盛期って感じで。YUIさんが福岡の音楽塾「ヴォイス」出身だと知って、私も行きました。13歳でした。 クリス:尾崎 豊の『15の夜』を聴いて間もなく、自分もこういう風になりたいと思って「ヴォイス」に通い始めて、17歳で『サブリナ』でデビューしたわけですよね。 家入:人生って怖いですね。4年でいろいろと変わっちゃうんだ。 クリス:13歳の頃、楽器は弾けたの? 家入:ピアノやバイオリンをちょっと習っていたことは、幼少期にあったんですけど、あまり続かなくて。「ヴォイス」に行ったら「曲を作るんだったらピアノかギターを弾けたほうがいいよ」って言われて、「じゃあギターをやります」ってことでギターを始めました。 クリス:最初に作った曲は覚えています? 家入:実はデビューして5周年のときに日本武道館でライブをやらせてもらったんですけど、同時にベストアルバム『5th Anniversary Best』を出させてもらって、そこにボーナストラックとして収録した『I promise you』って曲です。当時はSNSが出てきて、学校の裏掲示板みたいなのが流行った時代で。自分の言ったことが知らない間に掲示板に書かれていて学校に居場所をなくしてしまった子に寄り添う人たちの映像を見たときに、みんな不安定ながらに本当の居場所を探しているんだなって思って作った曲でした。それは13、14歳くらいでしたね。