名経大高蔵・内山椋太、最後の都大路へ 「2年分の気持ち込めて爆走したい」2年前の雪辱へ並々ならぬ覚悟【高校駅伝】
◇羽ばたけ中部勢 11月2日に行われる愛知県高校駅伝。優勝すれば12月22日に京都で開催される全国高校駅伝(通称・都大路)の出場権を獲得できる。愛知・名経大高蔵高の内山椋太(3年)は並々ならぬ覚悟で最後の駅伝シーズンに挑む。 2022年に同校は都大路に初出場。内山は1年生ながら2番目に距離が長い3区を任された。1年生で唯一の出場となったが、苦い結果に。区間最下位の26分43秒で、チームも47チーム中41位と苦杯をなめた。 「めちゃくちゃでした。都大路の直前にベストを出して、いい流れでいったんですけど、留学生がいたり佐久長聖の吉岡さん(現順天堂大)もいたりとか。すごい見とれてて自分のアップどころじゃなかった。散々でしたね」と自身初だった全国大会を振り返る。 三重県四日市市出身。中学の同級生に誘われ、同校への進学を決めた。中学時代は決して強い選手ではなく「楽しくやりたかった」というが、入部直後から急成長。自己ベストを次々と更新し、6月には5000メートルで14分57秒を記録。1年生ながら都大路に出走すると、2年時は夏にインターハイ出場。冬には5000メートル14分23秒81で自己ベストを更新し、自信を深めた。 日本一経験者からも学んだ。今年1月に行われた全国都道府県駅伝では愛知県代表として4区を走った。3区は青学大で箱根駅伝を3度、そのうちエース区間の2区を2度走り、優勝も経験した近藤幸太郎(23)=現SGホールディングス。あこがれの存在からたすきを受け取った。「興奮しすぎてちょっと覚えてない」というが、「走ってくる時もオーラがすごくて圧倒された。自分もああなりたいと思った」と感化。全国の舞台への思いを募らせた。 県の世代トップランナーとして1年時から活躍してきたが、今夏には挫折を経験。2年連続のインターハイ出場を狙った東海総体で5000メートル15分9秒51で11位に沈み、最後のインターハイ出場を逃した。 「1週間メンタルブレイクして、先生に『走りたくないんですけどどうしたらいいですか』って言ったら『走れとは言わないから練習には来て、できることをしなさい』と言ってもらって。それでサポートを中心にやって、1週間たって走りたいなと思い始めたので再開した」 最後の駅伝シーズンにかける思いは人一倍強い。脳裏には1年時の都大路の苦い記憶が浮かぶ。「初めて納得いく走りをしたい。それができれば都大路もいけると思う。2年分の気持ち込めて爆走したい」。酸いも甘いも経験したエースがチームを再び全国へ返り咲かせる。 (宮下爽) ▼内山椋太(うちやま・りょうた) 2007年1月29日生まれ、三重県四日市市出身の17歳。170センチ、55キロ。小学生のころはテニスをやっていたが、持久走がたまたま速かったことから小学5年時に陸上に転向。中学時代は東海大会に出場し、愛知・名経大高蔵に進学。趣味は人のふくらはぎを見ること。
中日スポーツ