「妊娠したの? じゃあお金返して」…52.4%の女性起業家がセクハラ被害、衝撃の実態…改善策はあるのか?
スタートアップ企業へのセクハラ被害が多くなってしまう要因について、山田進太郎D&I財団 COOの石倉秀明氏は「投資家やVCの立場が強いことが挙げられる」と説明した。 「ビジネスモデル上、スタートアップは投資で得た資金をガソリンにして赤字でもいいので会社をどんどん大きくし、時価総額を高めていくことが求められる。つまり、外部から資金が入らなければ続けていけない、という大前提があるのだ。そんな中、投資家やVCは資金を出すという“判断を下す側”であるため、女性起業家は何か(不快なことを)言われても『でもこの人が投資してくれるなら…』などと耐えてしまうこともあり得る」 「また、セクハラ被害に遭っても『誰に言うんだ』という問題がある。もし加害者に訴えても、うやむやにされかねず、“加害者の上の人間”に訴えてもセクハラの証拠は残りにくいため、様々なことを質問されるなどの“セカンドレイプ”に遭いかねない。加えて、金融の世界は政治の世界のように年齢が上の男性も多く、自分の周囲に(起業するような女性が)いないという理由で圧倒的に想像力が足りていない傾向にある」 では、どうすればスタートアップ業界におけるセクハラを防止できるのか? 石倉氏は「起業や会社経営を“神格化”しないこと」「起業の大変さとセクハラを比べないこと」と指摘した。 「『スタートアップ起業は大変。経営者は孤独であり大きなリスクを負っている』などと仰ぎ見る風潮は良くない。厳しい状況に直面することは種類が異なるだけで誰もが経験する。特別視する必要はない」 「起業の際に詐欺に遭うかもというリスクもあるが、セクハラをそういった懸念と比べて『そのくらい耐えるべき』などという主張がある。ただ、両者は比べるべきではなく『全部ダメ!』で終わる話だ。なぜそうならず“大変合戦”をしてしまうのか。そもそも、たとえ経営者であっても『自分は大変だった。乗り越えた』という話はダサい」 さらに石倉氏は「内からの自浄作用に任せるだけではなく、外から働きかける仕組みが必要だ」と提案した。 「見える場所で声を出しつつ、見えないところでも被害者の声をちゃんと拾って、1個1個ちゃんと処罰していくことが重要だ。そして悪質なケースに対しては“この業界で仕事ができなくなる”という社会の仕組みを作っていく必要がある」 (『ABEMAヒルズ』より)