復興支援、感謝の応援 富山マラソンの沿道、氷見高生ら走者とハイタッチ
富山マラソンでは、ダンスチームや高校の応援部など30団体が沿道イベントに参加し、ランナーに熱い声援を送った。今大会は、能登半島地震からの復興に立ち向かう富山県の姿を発信することも目的の一つとなっている。氷見高校の生徒は、全国からの支援に感謝の思いを込めたのぼり旗を掲げて応援。「ハイタッチ応援隊」と称し、ランナーとハイタッチして復興を誓う取り組みもあった。 高岡市野村の沿道では、同市木津の山本聖子さん(61)が手作りのうちわでエールを送った。元日の地震で自宅近くの道路が地割れするなどの被害を受けた。「自分たちやランナーに『前向きに笑顔で頑張っていこう』と伝えたい」と話していた。 スタートから14・7キロ地点の第4給水所(射水市庄西町・新湊)では、氷見高生が「感謝の気持ちを形に」といったメッセージを記したのぼり旗3本を掲げた。補給のボランティアとして参加した2年の中山友愛(ゆめ)さんは「発災後にいろんな人に助けてもらった。きょうはボランティアとして恩返しする」と意気込んだ。
32・7キロ地点の富山市和合中学校付近の交差点(同市打出)では、ハイタッチ応援隊をはじめ多くの人が集まった。射水市の澤田真歩さん(23)はハイタッチ用の大きなうちわを手に「石川から来ているランナーに、富山で元気をもらっていってほしい」と願った。 今大会では、参加費に加えて義援金も寄せる能登半島地震チャリティー枠を設け、約400人がエントリーした。東京都の宮川美知子さん(70)は「応援の気持ちで走った」と話し、爽やかな汗を流して完走した。 残り約1キロ地点の富山市牛島本町では、富山商業高校の応援部が迫力ある声援を送り、チアリーディングチーム「パピーズ」も元気に声を掛けた。同校2年の氷見颯太団長は「顔を上げて笑顔で走ってほしいと気持ちを込めた」、パピーズキャプテンで富山市新庄中1年の佐治玲奈さんは「楽しく全力で完走してほしい」と笑顔を見せた。 コース13カ所に設けられた給水所では、菓子や飲料、県内の名産品が提供され、ランナーを元気づけた。第5給水所(射水市八幡町・新湊)でかまぼこを振る舞った新湊高校1年の姫川隆太郎さんは「力を付けてほしい」。完走後に配られるますずしを食べた京都府の堀太輔さん(44)は「おいしい。疲れも癒えそう」と話した。