土砂崩れの現場で救助にあたった消防隊員 長時間に渡った活動「励ましをしっかりした」
メ~テレ(名古屋テレビ)
27日の夜、愛知県蒲郡市で発生した土砂崩れ。現場で長時間にわたり救助活動にあたった消防隊員が、当時の状況を語りました。 崩れた建物に、つぶされてしまった車。 そして木は倒れ、電線にひっかかっています。 27日の夜に蒲郡市で発生した土砂崩れ。 木造2階建ての住宅が巻き込まれて、家族5人が生き埋めになりました。 蒲郡市によりますと、このうち70代の夫婦と30代の長男が死亡、40代の長女と次女がけがをしました。
「一次隊」として現場に入る
この土砂崩れで、名古屋市消防局はハイパーレスキューなど、延べ66人を現場に派遣しました。 レスキュー隊員の小林さんは、「一次隊」として現場に入りました。 「天候も悪くて雨が降っているような状況で、現場は斜面が建物の付近にあったので、二次災害のおそれのある活動現場でした」(名古屋市消防局 ハイパーレスキュー 小林慶祐消防司令) 小林さんは、救助活動の指揮や、全体の安全管理を担いました。
思うように作業は進まず…
先に到着していた別の市の消防隊から「建物の中から女性の声がする」と伝えられ、小林さんらも捜索に加わりました。 「声がする所に捜索に入ったところ、女性の体の一部が確認できたので、その位置から救出活動を実施した。建物が倒壊していて、柱や梁が乗りかかっているような状況。『苦しい痛い』っていう声は確認できたので、励ましをしっかりして救出活動を実施した」(小林消防指令) 生き埋めとなっていた女性を発見することができたものの、思うように作業は進まなかったといいます。 「活動障害となったのが、倒壊した建物。二次災害の危険があったので。隊員の安全管理という面でも注意しながら活動していたので、どうしても時間がかかった」(小林消防指令)
約12時間後に救出
救助活動を始めて、約12時間。 女性の周りの土砂やがれきを手作業で取り除き、建物の外に助け出すことができました。 女性は病院に運ばれ、重傷だということです。 「我々の任務として、何としても生存している状況。その状況から救出することが、我々の活動の1番の目的ではあるので、今回救出できたことはよかったと思う」(小林消防指令)