美術館の看板から「美」が消えた…「これぞ現代アート」大事件のオチに拍手 立ち上がった館長は
建築士の館長が30分で…
この事態に立ち上がったのが、日本大学理工学部建築学科の教授であり、一級建築士でもある佐藤慎也館長でした。4月に突如、館長から「美の文字を印刷するように」と指示があったといいます。 館長はものの30分で、その印刷した文字を型紙として使って、アトリエにあった発泡スチレンボードから「美」の文字を切り出したそうです。 館長はスチレンボードで模型を作ることには慣れていて、スタッフ一同、出来上がりを見て、「さすが作り慣れているな」「実物と遜色なし」と感じたといいます。 応急処置ではありますが、これでようやく失われた「美」が戻ってきました。 ただ、担当者は「『美』が無いことは、他の字が無くなるより影響が大きく、早めに復旧したいと考え、元のものと同様のステンレス製の銘板を急ぎ注文していました」と話します。できあがったタイミングで、5月15日に業者に取り付けてもらったといいます。
敬意を表して展示・商品化
現在、八戸市美術館では、美術館の「美」を守った館長への感謝と、風雨に屈しなかったスチレンボードの耐久性に敬意を表し、「館長の『美』」を展示しています。 さらには、館長がつくった「美」文字を制作できるキットも販売し始めました。 キットには、スチレンボードが入っています。同梱している「美」の文字をボードに貼り、文字に合わせてカッターで切り出し、好きな色で着色できるというもの。15cm四方の実物大だそうです。 数量限定で売り出していて、5月18日から販売開始して、現在で30個ほど売れているといいます。 担当者は「館長が作った『美』を展示し、その横で制作キットが売っていたら面白いなと考えました。『美』が行方不明になったことが、結果としてはみなさんが面白がってくれているのでよかったです」と話しています。