美術館の看板から「美」が消えた…「これぞ現代アート」大事件のオチに拍手 立ち上がった館長は
美術館の看板から〝美〟がなくなってしまった――。美術館としては致命的ともいえる〝大事件〟に、館長が立ち上がりました。そして結果的には、ユーモアのある商品開発にまでつながってしまったのです。SNSで話題になった〝大事件〟の経緯を取材しました。 【画像】「美」がなくなる大事件…! 館長が応急処置で作った「美」
雪が解けても見つからず
先日、SNS上で話題になったのは、青森県の八戸市美術館に関する投稿です。3月に看板の「美」の文字が行方不明になったというものです。 「前回訪問したときはスチレンボードで応急処置されていた。今回再訪したら、そのときの『美』が展示され、さらに『美』制作キットが販売されていた。笑」との投稿でした。 これには2.4万のいいねと、「なんでなくなった?美泥棒?」「素敵なアイデア」「センスいい」「これをネタとしてアートにしてしまう美術館さすが」「これぞ現代アート」といったコメントも付きました。 投稿したのは公立はこだて未来大学の平野智紀さん(@tomokihirano)。今年のGWと6月に入ってからの2度、八戸市美術館を訪問したそうです。 「GWに訪れた時、『美』が行方不明なことはすでにネットニュースで知っていたので、実際に見てみたいと思っていました。そうすると、スチレンボードで処置されていたんです。知っていたからすぐに気づきましたが、遠目には気づかない来館者もいたかもしれないです」と話してくれました。 八戸市美術館へ、「美」の行方不明事件について聞きました。 3月11日夜、警備員が巡回中に「八戸市美術館」の看板から「美」の文字が無くなっていることに気づきました。翌朝、スタッフが出勤した際、警備員から報告を受けたといいます。 「美」が行方不明という美術館としては致命的な大事件。美術館の企画運営グループの担当者は「事故やいたずら、様々な可能性があるので、警察に被害届は出しながらも、まずは様子を見ることとしました」と話します。 この時はまだ、2月末に降った大雪がとけずに残っていて、雪の中も探したそうですが、発見に至りませんでした。 有力な手がかりもないまま、望みをかけて雪解けを待つも、結局「美」が見つかったり、戻ってきたりすることはなかったそうです。