中国、景気浮揚向け財政パッケージ決定迫る…「トランプ氏当選時は規模増やす」
4日から5日間の日程で開かれる中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会会議で、中国の景気低迷を打開するための景気浮揚策の詳細な内容が決定される見通しだ。 英紙フィナンシャル・タイムズがこの日、中国の臨時国会に当たる全人代常務委員会は世界2位の経済規模を持つ中国が低迷する景気を回復させるために新型コロナウイルス流行後で最大規模となる財政パッケージを承認すると予想した。浮揚策の規模と関連しては、今後3年間に4兆元(約85兆円)、6兆元、10兆元など、専門家によって見通しが分かれている。 全人代常務委員会は通常、偶数月の月末に隔月で開催するが、今回の会議は月初めである4~8日に進められる。先月25日に全人代の趙楽際常務委員長は、第14期第12回委員長会議を開き、今回の会期の間にエネルギー法草案、マネーロンダリング防止法など多くの法案と、国務院の金融業務報告を審議すると明らかにした。 今回の会議の核心となる議題は、9月に人民銀行など3大金融監督機関の「金融パッケージ増量政策」、財政部の「財政パッケージ増量政策」、国家発展改革委員会と住宅都市農村開発部などの汎政府「経済浮揚政策」まで、3回にわたり発表してきた浮揚政策の核心である「超長期特別国債」の具体的な発行規模だ。 中国全人代をモニタリングするNPCオブザーバーは、常務会議が終了する8日午後に国営中国中央テレビのメインニュースを通じて財政パッケージ関連決定を発表する可能性が高く、細部事項は当日夜に公開されるだろうと伝えた。 8日に輪郭が明らかになる財政パッケージの最終変数は米国の大統領選挙とみられる。中国政府はトランプ氏とハリス氏それぞれの当選に備え2つのバージョンの対応策をまとめたと台湾紙の聯合報は伝えた。ハリス氏が当選する場合、中国は穏健な政策パッケージを発表すると予想される。中国の国内総生産を0.4%増加させる規模の財政パッケージを発表し、今年の成長目標5%達成に注力する見通しだ。 これに対し、トランプ氏が当選する場合、中国は貿易と輸出の対策策定に注力する見通しだ。もしトランプ氏が当選する場合には、最大60%台という中国への追加関税賦課に備え、人民元切り下げカードを準備しているという。中国の投資銀行である中国国際金融(CICC)の報告によると、人民元を9%切り下げるならばトランプ氏の関税を相殺できるものと試算した。 ただ人民元切り下げは輸入インフレと外国資本が流出する副作用にも耐えなければならない。ここにトランプ氏当選時に予想されるドルの積極的通貨切り下げにまで備えなければならないという困難さがある。これに伴い、トランプ氏が当選する場合には財政赤字規模を拡大し、為替政策と輸出政策にまで大々的な変化が必要だ。野村証券の陸挺チーフエコノミストは、もしトランプ氏が勝利する場合には、中国の財政パッケージ規模を現在より10~20%拡大するだろうと予想した。